グリーン・ナイトのレビュー・感想・評価
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物語自体は説明が少なく、分かりにくいけど、圧倒的な映像がそんな不満を帳消しに。大人の心にこそ響くダークファンタジー。
本作の原作は、中世文学の最高傑作との呼び声も高い14世紀の作者不明の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」。「指輪物語」の作家J・R・R・トールキンが現代英語に翻訳し、広く読まれてきました。この魅惑的な原典を、自分の内面と向き合って成長してゆく若者の幻想的で奇妙な冒険物語へと大胆に脚色したのは、『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』で知られるデヴィッド・ロウリー監督です。
本作のバックボーンには騎士道精神があり、冒険の旅をする若き主人公に 「人間としての品格をいかにして、自分自身の中に見いだすか」というテーマを託したそうなのです。
根本は「スター・ウォーズ」に通じる英雄譚ですが、波瀾万丈の活劇よりも独特の世界観と映像美に圧倒されました。
物語の主人公であるサー・ガウェイン(デヴ・パテル)は、アーサー王(ショーン・ハリス)の甥であるというのに、まだ正式な騎士ではありませんでした。彼は人々に語られる英雄譚もなく、ただ空虚で怠惰な日々を送っていたのです。
クリスマスの日。アーサー王の宮殿では、円卓の騎士たちが集う宴が開かれていました。その最中、まるで全身が草木に包まれたような異様な風貌の緑の騎士(ラルフ・アイネソン)が現れ、“クリスマスの遊び事”と称した、恐ろしい首切りゲームを提案します。
それは勇気ある者に、見事騎士の首をはねることできたら、騎士の持つ斧を与えるというものの、その代わり「1年後のクリスマスに、私を捜し出し、私からの一撃を受けるのだ。顔への傷、喉の切り裂き…やられたままやり返し、信頼と友情と共に別れよう。」というのです。居並ぶ騎士たちが尻込みする中、その挑発に乗ったガウェインは、彼の首を一振りで斬り落とします。 それでも騎士は悠々と首を拾い上げ、1年後に待っていると馬で立ち去るのでした。
。それは、ガウェインにとって、呪いと厳しい試練の始まりでした。1年後、ガウェインは約束を果たすべく、未知なる世界へと旅立ってゆきます。気が触れた盗賊、彷徨う巨人、言葉を話すキツネ…生きている者、死んでいる者、そして人間ですらない者たちが次々に現れ、彼を緑の騎士のもとへと導いてゆくのでした。
物語は不可解。まずゲームの意味が分かりません。勝ってもなんの見返りもないのです。なんでわざわざ相手を捜し出して、首を切られに行かねばならないのか。見ている方の疑問をよそに、1年後にガウェインは約束通り旅立つのです。
ものものしい緑の騎士をはじめ、登場人物はことごとく謎めいています。冒頭からの30分。アーサー王や女王(ケイト・ディッキー)は重々しく、舞台となる円卓のある大広間は薄暗く、光が闇に沈んでいた邪悪な魂、不気味な気配を浮かび上がらせるのです。
加えて、振る舞いが普通ではなく魔女のようなガウェインの母親(サリタ・チョウドリー)や、旅の途中で出くわす盗賊(バリー・コーガン)、そして裸の巨人との遭遇。さらには、たどり着く城とその主人。そんな異形の者たちが、説明なしに次々と登場し、通り過ぎていくのです。
登場人物も彼らとの挿話も、神話的で寓意に満ち、さまざまな解釈ができそうです。
緑の騎士を自然の象徴として、1年の間に死と再生を繰り返す緑の循環と、人間との相克を読み取るというような解釈もできることでしょう。でもそんな解釈は、後からゆっくり考えればいいのだと思います。本作は怪奇でありながら映像美に溢れた独特の雰囲気にどっぷり浸るべき作品なのです。
ガウェインも、原作の立派な騎士から、まだ騎士にさえなれない、未熟な若者に改変されていました。アーサー王にまつわる壮大なストーリーと思って見始めると、ガウェインが言い訳ばかりのなかなか怠惰な人間として描かれていて、神話や英雄を捉え直すような試みに監督の独創性を感じることができます。
まだ語るべき物語を持たない主人公だからこそ、冒険を通して自分と向き合っていく過程に引き込まれることでしょう。緑の騎士からのゲームの提案も、ガウェインが次の王に相応しい人物としての試練を与えるものだったと解釈すれば、スッキリ腑に落ちるのではないでしょうか。
そんなガウェイン役のパテルが見せる情けなさが漂う表情も、この旅に説得力を与えていると思います。最後までガウェインの冒険は続きます。言葉を話すキツネやさまよう巨人などのキャラクターや、幽霊のような少女に泉に導かれるエピソードや、たどり着いた城で城主の妻に誘惑されるエピソードなども、光と闇が印象に残ります。
一方、盗賊と出会う荒れ野の場面や世話になった城主と別れる森の場面などはロケ撮影が素晴らしかったです。荒涼とした原野と広い空、うっそうとした森に人物を配した映像は一見すると絵画的だが、実は映画的だと思います。
盗賊と馬上のガウェインのやりとりを捉えるカメラは、後退しながら2人の歩行に延々付き添います。森の風景をじっと静止画のように見せ続けることはせず、短くカットすることもちゅうちょしない。デヴィッド・ロウリー監督の独創的な映像は、美しいだけではない。あくまで映画的であることにこだわった成果といえるでしょう。
本作でガウェインの物語自体は説明が少なく、分かりにくいことでしょう。ちりばめられた象徴を読み解くのも容易ではありませんが、圧倒的な映像がそんな不満を帳消しにしてしまいました。大人の心にこそ響く映像美あふれるダークファンタジー。傑作ではあります。
最後に原作の最後のシーンを紹介しておきます。本作の結末とは全く異なりますが、緑の騎士のゲームが意図したものは何だったのか、ヒントにはなるのではないでしょうか。
●『ガウェイン卿と緑の騎士』第四部より抜粋(WIKIより)
実は、緑の騎士はガウェインが逗留した城の城主、ベルシラック(Bercilak)だったのだ。城に泊めたのも、后に誘惑させたのも、すべてガウェインの度量を試すために仕組んだ罠だったことを打ち明ける。寸止めを二度したのは、ガウェインが約束通り、物品の交換に応じたことと、后の誘惑を礼儀正しく固辞したからであると述べ、傷を負わせたのは、今ガウェインが身につけている緑の帯がベルシラックのもので后から譲られたものという過ちを戒めるためだと説明する。さらに、自分が緑の騎士に姿を変えられているのは城に住む魔法使い「モルガン」(Morgan)の術によるものであると打ち明ける。二人は互いの度量と礼節、武勇をたたえ合い、ベルシラックはその功を称えるためそのまま帯を交換することを提案する。ガウェインは快諾し、ベルシラックは今一度、城でもてなすことを申し出るが、ガウェインは固辞し、アーサー王宮殿に帰る。緑の騎士の帯を身につけたガウェインは、王をはじめ宮中の者から溢れんばかりの賞賛を受けて物語は終わる。
●追伸
それにしてもエンドロール中に現れる、主を失った王冠と、それを弄ぶ女の子が登場するシーンはどんな意味があったのでしょうか?女の子は何者?
えっ、このシーンいります?の連続
2022年劇場鑑賞275本目。
アーサー王率いる円卓の騎士の中でもランスロットと双璧をなすガウェインの話ということで
結構楽しみにしていたのですが思ってたんと違う!
A24作品って自分とあんまり相性よくなくてちょっと嫌な予感もしていたのですが
原作の叙述詩にあったから仕方ないのかもしれませんけども、そもそも発端が
「クリスマスの祝いの席に緑の騎士がやってきて「一騎討ちをしろ、俺に勝ったら1年後に俺のところに来い、同じ目にあわせてやる」と1年後にそちらへ行くメリットが全くない提案をされましたが、
王の甥という立場だけで実績のないガウェインが渡りに船とばかりに挑戦を受けることになりました。
ここからソードアクションだ!と思っていたら思い切り緑の騎士が首をのばして「さぁここを斬りなさい」 じゃあ斬れないよ 武器を持て!となりそうなものですが、ガウェインくん王様に「いいの?」とアイコンタクトをして普通に首を切ってしまいます。 いや勇気ってそういう示し方じゃないのよ。
約束通り1年後に殺されに向かう(どういうこと?)旅の途中で色々な不思議な体験をするのですが、特に何かの伏線になっているわけでもなくただ不思議なことが起きたよってだけの話でした。
ダークファンタジー
ファンタジー色は薄いが、画面と主人公はただただ暗い(ダーク)。
古典の持っている物語の強さ。脚色してもっと面白く(ワクワクドキドキするような)できなかったのかな。
それじゃダメなんだろうな。
つくりたいものと観客がもとめてるものとがちがうような気がする。
誰もが楽しめるようにしなかったところがこだわりで、そこが大事なんだろう。
子どもの頃に観たジョン・カーペンターの「ミラクルマスター」のような冒険譚を期待してたから、ちょっと残念だった。
俳優さんたちの魅力もあまり感じることができなかった。
でもこういうのは好きだからもっと作ってほしい。
好みは分かれるかも
怠惰な一人の人間のためにつくられた旅路なので、主人公ガウェンに今一傾倒できず、なかなか入り込めなかった。黒魔術のような雰囲気もあり、悪魔の声に誘惑されながら進む道筋。緑の騎士の約束を守るということは、死を意味しており、はたして行くのか辿り着けるのか、逃げるのか立ち向かうのかと動向を色々考えながら鑑賞しました。
良かったところは、高貴な人と緑の教会に着いて緑の騎士が目覚めるまで待ってるシーンが好き。派手さはないけど幻想的で耳を澄ませたくなるような厳かな雰囲気が良かった。
それから、身ぐるみ剥がれてからのガウェインがひもじくなり、よたよたとして薄汚くなっていくけど、私にはその姿がとても魅力的に見えた。逆に身綺麗になればなるほど醜く見える。
後半はほとんど台詞がなく、映像だけで進むので思案しながら観ることに。場面展開で状況を推察するのにちょっと疲れた。
好みが分かれそうですね。でもあえてそういう風につくっているのかも?
A24です
終始真っ黒な画面。
エンタメ映画ではない。というコメントにありながら、まあ逆転を期待して鑑賞しましたが、オイラには空振り三振でアウトでした。
どっからどう切り取ってもA24作品ということでしたわ。
英雄譚ではない成長譚
「アーサー王伝説」は
西洋の人々には膾炙しているフォークロアも
本邦ではやはり仔細に知る人は過少では。
かくいう自分も
「魔術師マーリン」や「騎士ランスロット」または
「聖杯」等の概略は認知も
〔エクスカリバー (1981年)〕を劇場で観た時に
ドラゴンなぞがしれっと出て来て
かなり驚いた覚えが。
彼の地では高評価も、
日本では興行的にもさっぱりだった記憶。
で、本作はその「アーサー王伝説」に纏わる、
また一つの物語り。
現時点での
IMDb6.6
Metascore85
と、とりわけ評論家筋の支持が高めなので
かなりの期待をしていたのだが・・・・。
『サー・ガウェイン(デブ・パテル)』は
『アーサー王(ショーン・ハリス)』の甥ながら
未だに「騎士」未満の分際で、
娼館に入り浸り自堕落な日々を送っている。
ある年のクリスマス、円卓の騎士たちが集う宴席に
全身緑色の騎士が突然現れ、
謎かけとも付かぬゲームを仕掛ける。
功名心にはやる『ガウェイン』はその挑発に乗り
緑の騎士の首を撥ねるのだが、
この世の者とも思えぬ彼は
自身の首を持ち上げ
一年後に自分が待つ所に来るように伝え立ち去る。
一年は瞬く間に過ぎ、
もっとも『ガウェイン』は未だ「騎士」にはなれず、
娼館での怠惰な日常も変わらず。
しかし、周囲からの期待もあり、
約束を果たすために覚悟を決めて旅に出る。
実際の旅程は馬に乗って六日ほどと、
かなり短いもの。
が、そこで主人公が経験するのは
夢とも付かぬ不可思議な出来事の数々。
ああ、やはりこれも、神話や伝承の類の映像化かなのだと理解するも、
そのエピソードの一つ一つが単体では完結していなところがミソ。
一見尻切れ蜻蛉に終わっている様にも見えるが、
綿密に絡み合い終盤へとなだれ込む。
とは言え、冒険譚ではあるものの、
オハナシだなぁと嘆息する数々ではある。
整合性が取れていないのが一番の難点で。
たぶんその時代には不可能であったろう
「カメラオブスクラ」を使った肖像画の作成などは盛り込んでいるのを始めとして。
終わってみれば、一人の男が
謙虚に自身を見つめ直すことでの成長譚。
岩に刺さった剣を引き抜く、とか
神が与えた試練を乗り越える等の華々しさはないものの、
王権神授に近い結果を得るための通過儀礼。
そして最後には
現在の同地の王朝に繋がり
イングランドは女王が戴冠することを示唆し団円を迎えるのだ。
エンタメ作品として観ない事!
さて本作!個人的に気になっていた作品。
結論から言うと、エンタメ作品だと思って観ると評価は低いでしょうね…。これといった激しい盛り上がりもなく、淡々とストーリーは進行していきます。
日本でいう古典を映像化したと、私は解釈していたので充分楽しめました。(平安期から室町期の〇〇日記、〇〇物語といった感じでしょうか。)
古典なので、大きいオチはありません。それでも、日本と共通した世界観(精霊性といいますか。)が随所に見られ興味深かったです。
是非お時間がある方は映画館でご観賞くださいませ!!
昔よく読んだ中世の騎士の勇気試し兼怪物退治ものが懐かしく思い出される。道中の様々な映像が喚起するものが主人公の心象風景であるのが大人のファンタジーたる所以かな。でもちゃんと教訓話・寓話にもなっている。
①“アーサー王と円卓の騎士”のサイドストーリーとして創作した話かな、と思っていたら原作有りきだったとは。
②インド系丸わかりのお兄ちゃんがアーサー王の甥で、如何にも中東系のおばちゃんがアーサー王の妹なのがどうもしっくり来ない点はあるが、映画自体は最後まで飽きずに面白い。
③“「緑の騎士」はあなたの良く知っている人”という台詞があったのに最後まで正体がわからなかったし、サー・ガーウィンの母親の魔術が「緑の騎士」を呼んだらしいが母親と「緑の騎士」との関係が良くわからなかったりと、煙に巻かれるところもあるが、中世のイギリスを舞台にサー・ガーウィンの道中の風景や出来事を圧倒的な映像美で描いているのが映画として大変魅力的。
終り方も大変良い。
尚、上記の疑問の答えは原作を読んでいれば分かるようだ(Wikipediaによると)。
④アリシア・ビカンダーはどんな役でも魅力的。
⑤キツネちゃんが可愛い。
⑥“人間、やっぱり約束は守らなくちゃ”という寓話ですね。ちょっと『走れメロス』みたい。
⑦この後はWikipediaでアーサー王伝説とそれに付随したものを読んだ後の感想。
アーサー王伝説は映画でも既に何度も映画化されていて、それぞれ解釈が違うが、元々アーサー王伝説は色んなバージョンがあって、本作の主人公のサー・ガーウィンの人間像も色んなバージョンがあるみたい。
騎士道の見本みたいな立派な面(原作はそうみたい)ではなく、弱い面を全面に出して描いているのが現代風のアレンジか。その他原作を改作している部分も結構有るよう。
領主が代償として欲しかったのはサー・ガーウィンの接吻だったというのは原作にある通りだが、この映画版の方はどことなくホモセクシャルな匂いがある(尚、ジョエル・エガートンは2004年製作の『キング・アーサー』ではサー・エガートン役らしい)。
⑧大概のアーサー王映画では美人女優が演じている王妃グィネヴィアを怖い顔のオバサンが演じているのも面白い。焼かれた筈の手紙がまた現れたのが、そしてその手紙を読むグィネヴィアが何者かに憑依されたようになるのも原作やアーサー王伝説を知っていると分かるよう。
⑨ただ、私もそうだったように、上記のことを知らなくても十分楽しめる大人のファンタジーとして良く出来た映画。
=追記=
アーサー王伝説は、キリスト教流布前の西ヨーロッパの文化だったケルト文化の影響を色濃く残しているという。そういえばサー・エガートンの母の使う魔術、森の民だったケルト人達を偲ばせる森林の描写が多いこと、“緑”の騎士、映画の中での領主夫人(アリシア・ビカンダーの一人二役)が述べる“緑”という色の解釈。最近ケルト文化に興味がある私としては一つの入り口となるかもしれない。
不思議な中世というか【アーサー王自体は6世紀かい?】の英国?描写の美しさを味わう作品。寓話でもある。
14世紀に編まれた作者不詳の叙事詩。だがアーサー王自体は時代が違うが
大昔であることは一緒。
騎士道の古めかしい時代を、最新のオシャレな映像技術というのは観ていて面白い。
ある意味珍道中、お約束の盗賊的追い剥ぎ、不可思議な人々、怪異現象
純粋に映像が面白いのだ。古めかしい風景、服装等が楽しい。
緑色、俺大好きだから、そのパワーが心地よい。
昔の話を最新の映像、理屈抜きは楽しい。
私事だが、俺大学受験は【日本史と政治経済】だったから
中世以前の世界史、殆ど知らんのね。知識なし。だけど楽しめた。後述のように有料パンフで補完も楽しい。
上映館少ないけどオススメ作品。これまた配信で倍速では良さがわからない作品。
映画館でオシッコ我慢缶詰する価値のある一作。
なんだよ潔く逝かないのかよ。寸止めじゃないの?という予定調和を軽く乱していて良い。
景色、人物、不思議な西欧・騎士の時代の描写が映像的に楽しい。
少なくとも、車酔いのゲロ袋のゲロのように気持ち悪かった「ミッドサマー」とは全然違う
A24さん。やればできるじゃないか。
12月公開の「MEN 同じ顔の男たち」も期待してるよ。
なんか原典をわかりやすくヘタレ調にしてかこうだったら良いのだ!という描き方みたい
【有料パンフの受け売り、ちなみにこの作品、別に頭空っぽでも楽しめるけど
あっココはこういう意味ね。というナイスフォロー👍の有料パンフ読むと面白いヨ】
有料パンフには中世のイングランド🏴料理が載っていて【やっぱりイギリスは昔から料理不味そう】
サービス満点
風景はきれい
中世文学の映像化なので内容がすごく盛り上がる!とかかなり少なく静かな音楽とセリフもすごく多い感じもなくなかなか難しい内容。
ファンタジーなのでおかしなことが多くでてきます。ホラーでもないしサスペンスでもないし説明に困る。
アクションシーンもそれほどなくうぬぬー。
思ってたよりは良かった。
『ロード・オブ・ザ・リング』とかロールプレイングゲームの、中世ヨーロッパの世界観がキライなのですが、
意外にも、思ってたよりは良くて、4付けようか悩んだけど、よく考えて、厳しめ3.5です。
でも、A24って幅広いですね、前はエログロのイメージだったけど、
『アフター・ヤン』みたいなヒューマンや、今作みたいなファンタジーまで。
A24らしいエログロを求める方には、合わない1作です(笑)
最後が良かった♪
きわめて気が付きにくい論点が隠されているが基本的には高評価。
今年344本目(合計619本目/今月(2022年11月度)31本目)。
原作「ガウェイン卿と緑の騎士」をもとにする映画です(作者不詳、14世紀のイギリスで成立。現代の英語に翻訳したのが、トールキン)。これら作品のさらに大元(おおもと)は当然「アーサー王物語」です。
他の方も書かれている通りのダークファンタジーもの。
日本ではちょっと該当するカテゴリや、参考になるゲーム・小説などがないなぁ…という印象です。一般的に想定される(ライトな)ファンタジーものとは違いますので…。
映画としては字幕がやや読みにくい(ただこの原作の根底に流れるものがキリスト教文化であり、それを前提としているため、仕方がない部分もある)点はあるものの仕方なし、というところです。
また、上記に書いたように14世紀のころの作品の映画化であるため、字幕そのものもマニアックならセリフ(元は当然英語)も極端にマニアックな語が登場し(特にキリスト教文化、騎士・貴族文化等。単語関係で押してくる)、「やや」日本で放映することを想定していないのかなぁ…という印象はありますが、それでも今週(11月5週)は数が少ないし、迷ったら推せる一本です。
この作品には「特殊すぎる」論点が含まれていて結構そこがわかりにくい(というか、何が正解なのかよくわからない)点があります。さっそく採点いきましょう。
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(減点0.4/理解が困難/「今日は12月21日なんだ」(セリフ(英語)もこの通り))
・ まず、上記にも触れた通りキリスト教文化で、「今日は12月21日なんだ」からもわかる通り、クリスマスといった語も登場します。
一見すると「何がそんなに減点対象なのか」と思う方も多いかなと思います。
現在多くの国で使われている暦は「グレゴリオ暦」です。主に文化が発達したヨーロッパでは1582年までは「ユリウス暦」という別の暦法が使われていました。しかしこのユリウス暦は「うるう年」の決まりに欠点があったため、1582年にグレゴリオ暦が定められ、以後各国が導入するまで(イギリスはなんと1750年(52年説あり))は、当然「年」に関しては正しい理解ができますが「何月何日」という部分は、どちらの暦を参照しているかによって理解、つまり、「今の暦でいう何月何日なのか」ということがわからなくなってしまいます。それも1日違いとかというならまだしも、実は-2日(今より早くなる)から10日(今より遅くなる)幅が非常に大きいからです。
しかし、「12月21日」と「クリスマスがやってくる」というセリフからは、当然のごとく「12月21日」が(1年の中では)早くやってこないと文脈、また、ストーリーと理屈が合わなくなるので、この「12月21日」が何を指すのかはかなり微妙です。
※ 一見すると、「クリスマス」という語が出るため、こちらから逆算できるのでは?と思われるかもしれませんが、クリスマスの日もまた、実は暦法の影響を受けるため、これを軸に決めることはできません。
・ 今のグレゴリオ暦であると考える場合(暗黙に変換がかかっている場合) → 知識がある人が混乱するだけで不十分な字幕。
・ 当時のユリウス暦であると考える場合(変換を要すると考える場合) → 現在のグレゴリオ暦では12月29日になる(14世紀イギリス(ロンドン基準)ではいつをとっても同じ)が、それこそ誰もわからない
※ このように、1582年以前(または、各国ごとに導入年が異なる場合、それ以前)の暦を、グレゴリオ暦に直す考え方・暦の概念を「遡及グレゴリオ暦」といいます。
…という特殊な論点が存在し、「いずれの解釈も一応可能」であるものの、ここまでの理解を求めるのはさすがに無理がありすぎるのではないか…という気がします。
(※参考/「日本において」このことが論点になるのはなぜか)
・ 日本は地震大国です。日本でグレゴリオ暦が導入されたのは明治時代の明治維新のころですが、当然それよりも前に大地震はおきていますし、よく「地震の周期的な発生」と言われるように、地震大国である日本では、同じようにグレゴリオ暦が導入される前の古い文献が、「今の暦でいえばいつ起きたのか」をちゃんと特定することが、学問上・実際上重要な意味を持つためで、ほか、「歴史(ここでは、日本史)上重要なできごとがおきたのが、今の暦では何月何日か」ということが重要な意味を持つからです。
※ そもそも、建国記念日(今の2月11日)が「現在の暦で2月11日」と特定できるようになったのも、こうした「日本における遡及グレゴリオ暦」によるところです(日本書紀に記述があったのを、現在のグレゴリオ暦で遡及させたのが2月11日)。
上質なロードムービー、お前ら母親には心配かけるなよ‼︎
原作未読で鑑賞、原作では説明されてたであろう語られていない部分は想像で埋める系の映画でしたが始めから終わりまで飽きる事なく観れました。伏線の為の伏線やどんでん返しを売りにする映画が多い中、潔いこのような作品は目新しくあり(一昔前はあった)観客にお話しを考えさせながらゆっくりと道中の美しい情景を魅せる手法はすごく好きです。
賛否両論あるとは思いますが多くを語らないこの映画はフロムソフトウェアのダークソウルやエルデンリングがお好きな方はおすすめです。
とりあえず親に心配かけちゃいかんよ!
ラッキーアイテムは…
ダークなファンタジーもの
王になる為の経験そして精神を
鍛えるための修行
色々と工夫(映像的に)が施されて
ワクワクとはいかないけど
この先何が起こるのか
出会った人たちが
どういう意味を持つ人なのか
常にドキドキさせられた
暗さの中にホッとするところ
が少なくて…ラストも
本当にダークな世界でした
みどり色の腰ひもが…
一度では細かなところまで
読み解けない
余談…
回を重ねることに気づきが
あって面白くなる様な
作り方センスの良さ
を感じる
まさに「狐につままれた」ような物語
ファンタジーではあるが、アクションでもスペクタクルでもなく、VFXにも派手さはない。
陰影のある美しい映像と、幻想的な雰囲気からは、「伝奇」とか「奇談」といった言葉が思い浮かぶ。
話の骨格は典型的な「貴種流離譚」だが、地位や名誉を手に入れるためには、血筋だけでなく実績も必要だというのは、古今東西の共通認識ということだろう。
アーサー王の甥を、なぜインド系の俳優が演じているのかは良く分からないが、それによって、自分の実力を示さなければならないという主人公の切迫感や焦燥感がより際立ったように思う。
夢とも幻ともつかない物語から教訓とか寓意を読み取ることは難しいが、悲惨な末路を知らせた上で、そのような人生を送らせるという罰を与えたのか、悲惨な末路を知らせることによって、そのような人生を送らないように助けたのか、グリーン・ナイトの真意が気になるところである。
ある程度の予備知識を持って観た方が良かったかも
全く予備知識無し、チラシを表を見ただけ。色が鮮やかなところに惹かれただけで観に行った。あと、洋画は久しく観てなかったのでそれも後押しになった。
予備知識無しなので終始「なんのこっちゃ」って感想。終盤までは???の連続。
終盤はそれでも腑に落ちる。表情や絵作りが心情を際立たせたのも助けになったが、なんかモヤモヤは残った。
首と共に去りぬ。
なるほど、そういうオチだったのね。逃げるとつらい人生になる悪夢見せられて勇気を試されたんだな。
壮大な活劇ものを期待してただけに地味な展開で残念。
追い剥ぎたちからいつ斧を奪回した?狐や巨人たちの正体は?どうもスッキリしない。
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