グリーン・ナイトのレビュー・感想・評価
全63件中、1~20件目を表示
デビッド・ロウリー監督はすごい
円卓の騎士のガウェインを主人公にした作品としては異色の切り口というか、彼は高潔な騎士のイメージが強いが、本作ではそんな高潔な騎士になる前の未熟な存在からスタートする。クリスマスに緑の騎士との約束(?)を果たすために荒涼とした大地をさまよいつづけるガウェインの苦難の旅路を幻想的な映像で捉えたこの作品は、魂を揺さぶる瞬間の連続だ。デビット・ロウリーの作品は前作もそうだけど、何気なく撮っているように見えてやたら全編ショットが完成されている。どこを切り取っても絵画的に美しいし、少ない動きとセリフでも見事に映像で語ってしまう。なんとくか、言葉の域を超えた経験を体験させてくれる旅路に面出されたような、映画館から出た後には、世界が違って見えてしまう。別世界に人を連れ出してしまう傑作。華々しいアドベンチャーではなく、荘厳な宗教的な旅路。啓示を受けた気分になる。
通過儀礼のごとく深淵で不可解な冒険
この美しさと不気味さを兼ね備えた映像世界は、我々を理解を超えた境地にどっぷり漬け込む。永遠にも等しい時の流れ、湿り気さえ覚える深い森の神秘性は、その空気感や語り口のペースを掴むまで観客にある種の忍耐を課すものとなろうが、そこさえ越えれば後はもう成すがままに緑へ取り込まれるのも早い。
カメラがゆっくり一周パンすると時が経過し、屍は骨となり、土へと返っていく。これに似た円運動をロウリー監督は『A GHOST STORY』でも使用していたが、本作は主人公が一年という期限つきで旅する点、生と死が似た概念で結ばれているようにすら思える点も含めて循環的だ。
そして本作では勇ましいヒロイズムや、歴史に名を刻もうとする功名心が意味を持たない。ガウェインの旅はいわば己の弱さや葛藤を尽く炙り出し、その集積と向き合う通過儀礼。大衆向けではないが、アーティスティックな感性に彩られた極めて精神的な魂の彷徨に魅せられた。
鑑賞時期が違ったらもっと楽しめるかも
6世紀頃のブリテンの伝説的なアーサー王の甥サー・ガウェインを題材にした14世紀の叙事詩を原作として映画化。1925年にはJ・R・R・トールキンが現代英語に訳したこともよく知られるとか。アーサー王が歴史的に実在したかどうか諸説あることに関係があるのか、この「グリーン・ナイト」も古代ブリテンの騎士の冒険譚でありながら、魔術使い、霊的存在、巨人などファンタジー要素が色濃い。
映画化の企画が始動したのが2018年で、2020年春の公開を目指したそうだが、運悪くコロナの世界的流行とぶつかり、今年2月からロシアのウクライナ侵攻による資源不足や物価上昇などの影響、日本ではさらに歴史的な円安と、まさに日常生活が三重苦の状況で、果たしてこの現実離れしたダークファンタジーを楽しめる経済的・精神的余裕のある観客はどれほどいるだろう。もちろん映画に罪はないが、間の悪さは否めない。
英雄の旅の定型をなぞるストーリーを、撮影場所に選ばれたアイルランドの雄大な景色が盛り上げており、ファンタジーRPGなどのゲームの愛好家なら壮大で古風な雰囲気もある世界観に親しめるだろうか。
気になったことがもう一点。主演のデヴ・パテルは良い役者だと思うが、古代ブリテンの王の血縁者であるガウェイン役にインド系英国人のパテルを起用したのは、人種的多様性を目指す方向が見当外れで、行き過ぎたポリコレの実例になってはいないか。イギリスがインドを含む西アジアを植民地化していったのは18世紀末から19世紀にかけてであり、英国社会にインド系が移民として入っていったのもそれ以降のこと。架空の物語を題材にした創作物だからキャスティングも自由でいいという見方もあるかもしれないが、たとえるなら、平安時代の貴族社会を描いた『源氏物語』の実写化の企画で、主人公の光源氏役に金髪碧眼の白人かアフリカ系の黒人の俳優を起用するようなもの。いくら架空の物語だからといっても、時代劇として違和感を抱かせるキャスティングはいただけない。
Cool and Sexified Version of Middle English Tale
One of Britain's most bemusing King Arthur tales gets its Pan Labyrinthian treatment. In familiar A24-style, Green Knight is a colorful adventure, stylized with cult-like imagery, with fantasy dreams conjured at a Peter Jackson scale. Lowery certifies he's among the brilliant of the new generation of directors. Patel leads with finesse. Could afford to be a little shorter but charming nontheless.
わからなかった
冒頭にエクスカリバーの件がナレーションされるのでアーサー王の何かかなとはうっすらわかれども。
正直全般通して意味がわからない。
画面の雰囲気と独特の世界観を楽しむ作品?
ダークファンタジー…整合性だのは目をつむるにしろ、もう少しストーリーとして組めなかったのか、そもそもその気がないのか。
とにかくビジュがよい
予告編に惹かれてずっと気になっており、『モンキーマン』を観て思い出し、配信で鑑賞。
話はアーサー王や円卓の騎士の伝説がベースらしいが、そのあたりの教養がない私にとっては、少し迷子になりそうな瞬間もあった。
ただ、たぶん何か試練を経て成長する物語なのだろうとどっしり構えて見ていたので、細かいことがわからなくてもどうにかなった。
というか、シーンごとの衣装や造形などのビジュアルが良過ぎて、多少話が複雑でも気にならなかったのかもしれない。
(観終わってから円卓の騎士やガウェインについて調べました…その流れでキングスマン観ました笑)
ポスターのコスプレぜひしてみたい笑
ゲームやってるみたいな雰囲気
主人公がグリーン・ナイトなのかと思ったら別にいた
話の内容はちょっと難しかったかなぁ〜
まぁでもオープンワールドのゲームやってるみたいな雰囲気でよかったかな
あと狐は可愛すぎた
ダークファンタジー×圧巻の映像体験!
原作を知らずに観ると、結構な難解さがあります。
ネタバレにはなりますが、
Wikipediaでも良いので、さらっとどんな話なのかは知っていたほうが
より楽しめると思いました。
まずもって、圧巻な映像体験がスゴイ!
全編を通してダークな雰囲気/色づかいも好き!
アーサー王から連なる神話であり、5世紀末くらいのお話なんですが、
その世界観を映像で見事に表現していて、見惚れてしまうほどの美しさです。
物語の軸は、放蕩息子のガウェインが緑の騎士との約束を果たすため
旅に出て、その道中でいろいろな障害を乗り越えていく成長の物語です。
魅力あるキャラクター、動物、巨人(笑)、そして自然の美しさを交え
見事に最後まで描ききっています。
緑の騎士との約束の1年後に出会うシーンからの
疾走感が素晴らしいです。セリフがほとんどなく、グイグイ進んでいくのは
観ていて気持ち良かったし、ガウェインのセリフに応えた
緑の騎士の返しが素晴らしかった。観て良かったな〜と心底思えました。
盗賊役のバリー・コーガンの小悪党っぷりもよかったです(笑)
ガウェイン卿と緑の騎士‼️
この作品はダーク・ファンタジーの超傑作‼️物語、映像美、世界観ともに素晴らしいと思います‼️全身草木に包まれた "緑の騎士" の挑発にのってしまったアーサー王の甥、ガウェイン‼️一年後、"緑の騎士" を捜す旅に出るガウェインだったが・・・。映画はこのガウェインの苦行の旅を淡々と描いていく‼️スカベンジャーたちに馬や斧、母から送られた腰帯を奪われたガウェインは、廃墟となったコテージで、家主の霊に「切り落とされた自分の頭部を泉の中から探してほしい」と頼まれ、頭部を戻してやると斧が戻ってくる‼️ある城に滞在することになったガウェインは、城主からはキツネを与えられ、城主夫人からは腰帯を与えられる‼️そしてついに "緑の騎士" を発見したガウェインは自分の首を切り落とそうとする "緑の騎士" から逃げ出す。その後の彼の人生は悲劇の連鎖‼️ついにはガウェインの頭部は切り落とされたように床に転がってしまう‼️実は全てが幻視だと気づいたガウェインは、観念して "緑の騎士" に首を差し出すが、それを見た "緑の騎士" はガウェインの勇気を称え、微笑みを浮かべる・・・。気が触れたスカベンジャー(盗賊)、首を探す美しき家主の霊、彷徨う巨人、言葉を話すキツネ、そして全身草木の "緑の騎士"‼️ちょっと「ロード・オブ・ザ・リング」のエントを思わせますよね‼️ダークな色調の美しすぎる映像美、重厚な音楽、個性的なキャラ達も印象的な一人の騎士の成長物語‼️主人公の恋人エセルと城主夫人の一人二役を演じたアリシア・ビカンダーが妖精のごとき魅力で好演‼️ホント美しいというか、可愛い‼️エンドクレジット後に登場する女の子も、ガウェインとエセルのその後の幸福な生活を予感させていて微笑ましい‼️
ファンタジー
なんか難しい。ただファンタジーとして観ると割り切れば、面白い。冒頭のみどりの騎士のルックスにも引き込まれるが、登場の仕方や、宴会の場に居る人々の様子など、観入ってしまう画面の構成。
1年後、約束通りに、決闘に向かうガウェイン。道中出会うさまざまな不思議な人達やら動物。進撃の巨人まで登場。なかなか面白い。
最後、戦わず、首を落とされるの?ちょっと待ってを繰り返しつつ、覚悟を決めて切り落とされるのを待っていると、首と共に帰れと言われる。それはどういう事なのか?このまま帰れって事?切り落とされた首を持って帰れという事?宗教的な事が関わってくるのか?なんかよくわからなかった。
ファンタジー映画の概念
最近何故かファンタジー作品を良く見ているなぁ~。
『君たちはどう生きるか』、『バービー』、本作と一応ファンタジー作品だけど全て種類が違うのが面白い。
まあ、『君たちは~』は自伝+ファンタジーだし、『バービー』はファンタジーという衣装をまとった“知的エンタメ”だったので、純粋にファンタジーと呼べるのは本作だけかも知れません。
(『ダンジョンズ&ドラゴンズ』なども見ていてファンタジーと呼べなくもないけど、個人的なカテゴリーではファンタジーには含まず単なる娯楽エンタメとみなしています)
なので、私が思うファンタジーとしては本作が一番(ファンタジー映画として)面白かったと思えます。
正直言って意味とか寓意とかは分からないのですが、見る(知る)ことの体験により深層心理に影響を及ぼす、絵画鑑賞(特に抽象絵画)にも似たような感覚になります。
そういう意味で上記した他の作品は、作り手の意思が明確に表現され過ぎていて、本来のファンタジーとしての深みはないのでしょう。
また、映画なんて全て幻想だとも考えられるし、その幻想の中に夢を見るのか悪夢を見るのか、それは観客次第なのかも知れませんけどね。
物語知っていればもっと楽しめたかも
新作から興味を引かれて鑑賞。ダイジェストのように場面が切り替わり、有名な物語なのかと気が付く。テーマや教訓があるんだろうけど、わからないまま。映像は壮大なシーンもあって劇場なら良かったかも。
こういうナイト物語はある程度知識がナイト
こういう中世騎士物語はある程度設定や背景を知っていないと入り込めない。
本作の場合、アーサー王伝説が絡む。
その甥で、円卓の騎士の一人、ガウェイン。
騎士道精神溢れる英雄らしいが、本作では騎士になる前。
別によく知らなくとも見れない事はないが、こういう切り口で来たか!…など斬新な驚きはない。
騎士になる前の若きガウェイン。怠惰な日々を送る。
アーサー王や騎士らが一同に会した宴の席に、異様な風体の“緑の騎士”が現れる。“首切りゲーム”を持ちかける。
挑発に乗り、ガウェインは首を斬り落とすも、騎士は「一年後に同じ一撃を受けよ」と言って去る。
やがて約束の一年が近付き、ガウェインは王らに言われるがままに騎士の待つ“緑の館”を探す旅に出る…。
一応冒険ファンタジーではあるが、剣や魔法やドラゴン、胸躍る冒険やアクションを期待すると肩透かし。
終始重苦しい雰囲気。ダーク・ファンタジー。暗示や意味深なものも示され、難解でもある。
道中出会う人々や体験する出来事。親切心、裏切り、救済、誘惑、警告…。
旅の終着、緑の館。対峙、恐れ、受け入れ…。
運命、行く末、今現在…。
苦悩する一人の若者はそこで何を見たか。
迷える者が己を決心する内面の物語をじっくりと描く。
訴えたい事、伝えたい事などは何となく分かるが、高尚と言うか敷居が高過ぎて、あんまりハマらなかった。
A24×監督デヴィッド・ロウリーによる独創的な世界観には目を見張るものがある。
ダークな映像美、木の身体の緑の騎士のビジュアル、重厚で幻想的な音楽…。巨人と遭遇するシーンは圧巻。ハリウッドで『進撃の巨人』を映画化したらあんな感じ…?
デヴ・パテルも深い演技。
後はよく…。自分の好みの作品ではなかった。
つくづく、騎士道の風上にも置けない自分…。
面白かったよ
アメリカでは子供のおゆうぎ会でアーサー王物語が定番らしいから、桃太郎をダークにした感じなのだろうか?というかグリーンナイトも欧米ではメジャーなのだろうか?映画見たあとにホンモノのあらすじを読んだけど結構ちゃんと忠実だったようですね。
指輪物語よりは落ちるのはやむなし。か。
アーサー王関係の話は知らない状態で鑑賞。でも、さすがにエクスカリバーを引き抜いた程度は知ってますけど。
なんか、古典特有の、日本書紀でも古事記でもそうですが、とっちらかったところがある物語なんでしょうけど、つなぎきれずにまとめてしまったのかなあという印象を受けました。ファンタジーとしてもちょっと中途半端かなあ。結局、緑の騎士ってなんだったのかも分からんし。
ただ、普段の自堕落さから緑の騎士の首を斬る勇気、約束を守ろうとする律儀さ、困難(飢えや乾きなど)への忍耐、誘惑に打ち克つまでの葛藤、そして首を差し出す覚悟などの描写はなかなか面白いものでした。
また、風景というか、城というか、どっかで観たことがあるような・・・。(笑)
トールキンのアーサー王物語なの?
とりあえず原作を読まねば!と。
まるでトールキンらしくないんだけど。
全体的に暗いし、
ラストの流れにも入っていけなかった。
この監督さんが作るとこうなるの?
後味が悪い。
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