「赤いやつ……」Shari night runnerさんの映画レビュー(感想・評価)
赤いやつ……
斜里町は、知床半島の(北というか、西というか、……)半分を占める町で、半島の付け根から知床岬先端までが範囲。
町の中心部は付け根の部分で、斜里岳の広い裾野が緩やかにオホーツク海に広がっています。冬は寒くて、一度高校時代の友達が遊びにきたときに連れていったら、ずーっと道端の雪をつかんでは空中に投げていた。『寒いから、サラサラして、雪、全然かたまらないから、キラキラ光って綺麗!』と。
網走や北見から斜里に向かう道すがらは(山側を通っても、海側を通っても)、斜里岳は神々しく美しいです。
毎年出ていた(ハーフ)マラソン大会、斜里岳ロードレースでは、大会役員長のおじいさんが、毎回『この大会は、斜里岳が爆発してなくなるまで!……そんなことありませんが……、ずっと続けましょう!』と開会式で言ってました。『清里町から見るより、斜里町からみる斜里岳の方が美しい』とみんな思っています。みんな誇りに思っています。
写真家の石川直樹さん(撮影担当)に誘われて、吉開菜央さんが監督した作品。監督の吉開さんは、米津玄師の『Lemon』のミュージックビデオの振り付けや出演してる人なんですね。そして、山口県光市、下松市出身。
萩市のツインシネマで上映された。
映画は、斜里の自然とひとと、そして、ロケした2019年の冬が、記録的に雪が少なくて流氷も少ないふゆだったから、気象にも言及。少しまとまらなかったかな。
斜里岳に登ったときも、きっと、晴天ではなかったのだと思う(あの。転がりそうな大岩に行ったことがある)。快晴に一番のピークに立てばまた違った感想や表現になったのかなと。
旅人が、その訪れた時の印象、空の色を映像に焼き付けた作品。斜里岳何度も登って、斜里の冬も繰り返して体験しての作品も期待します。
現地から遠い人ほど絶賛する傾向に抵抗がある。
映し出される町の人達が、みんな個性的で、興味深かった。
子供達も頑張ってた(だいぶん昔だけど、NHKのローカル番組で、ウトロ小学校の生徒みんなに『この中で、登下校中に、熊をみたことのある人ー』と司会者が質問したら、体育館に集まっていた全員(数十人)、みんな、『はーい』と手を上げていました)。(ウトロと斜里は場所が違うけど)……