「半分少女」トムボーイ 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
半分少女
男の子のふりをする女の子の話だが、これを見る限りでは同性愛なのかトランスジェンダーなのか、それともそれ以外の何かなのかはよくわからなかった。最初に思い浮かべたのは、ラッセ・ハルストレム監督の「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」に登場した少女サガだ。
休暇中に周囲を偽っていても、学校が始まればたちまち露見してしまうのだから、あまり深い考えがあったわけではないのだろう。揺れ動く成長期の心的葛藤の只中で煩悶しているというか。リザに本当のことを告げた時の、二人の何とも言えない対峙の表情がリアルだった。
セリーヌ・シアマ監督の初期作品とは知らず、先に近作の「秘密の森の、その向こう」を見ていたので、森の中で遊ぶ子どもたちをカメラで捉えるという点で共通しているなと思った。監督のこれまでのフィルモグラフィーは自身のセクシュアリティと不可分のように見えるが、今後もずっとこの傾向を維持していくのだろうか。思いっきり離れたテーマを採り上げてみても面白いと思うのだが。
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