劇場公開日 2022年2月11日

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「強制送還に怯えて」ブルー・バイユー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0強制送還に怯えて

2022年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

とても考えさせられ辛かった。
(そしてラストは子役ちゃんの迫真の演技に泣かされました)

ルイジアナ州ニューオリンズ。
3歳で韓国からアメリカに養子に出されたアントニオ。
アントニオ(ジャスティン・チョン=主演兼監督)は、妻のキャシー
(アリシア・ヴィキャンドル)と義理の娘ジェシーの3人で、
貧しいながら幸せな日々を送っていた。

ところが、ふとしたキッカケで不法滞在者扱いをされ、
元の国(韓国)へ強制送還措置が命じられる。
アメリカでは2000年頃まで、養子に市民権を与える制度がなかった。
そのため2000年以前に養子としてアメリカに渡った子供たちには
市民権が与えられておらず、
2000年以降に適切な手続きをする必要があった。
しかし多くの養父母はその手続きを行わなかったため
市民権のないまま成長。
裁判で、居住実態があると主張したくとも5000ドル以上の
裁判費用がかかる。
法律のはざまに落とされ、アメリカ国籍のない人は、
今日もどこかで強制送還されている。

国に帰ったところで住む家もない。
言葉も喋れない。
自分にはなんの落ち度もないその悲劇を、
アントニオという男の場合を例に、
問題視した作品です。
義理の娘のジェシーは実父の影に怯えているが、
アントニオとはとっても仲がいい。
ルイジアナのブルー・バイユー(湿地になっている青い入江)で、ジェシーに、
「絶対に置いてきぼりにしない」
と約束する姿はその後を知っているだけに辛い。
ブルー・バイユーとはアントニオに微かに記憶のある韓国の河
でもある。
アントニオが覚えているのは、母親が自分を落とそうとしたか、
誤って落ちたか、必死でもがいている記憶があるのだ。
美しい映像の中に「痛み」のある作品だった。

琥珀糖
ねもちゃんさんのコメント
2022年11月24日

こちらこそいつもありがとうございます
…WOWOWで改めて観ました
またしても棘が抜けなくなりましたが
再鑑賞して良かったです

返信不要ですよ😀

ねもちゃん
iwaozさんのコメント
2022年11月15日

これもめっちゃ良かったですね。特にブルーバイユーはリンダの歌も良いですが、アリシアの魂震える声にやられました。名曲ですよね(^-^)

iwaoz