劇場公開日 2022年2月11日

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「制度の落とし穴で苦しむ人たち」ブルー・バイユー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5制度の落とし穴で苦しむ人たち

2022年3月8日
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鑑賞方法:映画館

日本で養子縁組の制度はあまり浸透していない。周りに養子縁組をした人がいてもわかりづらいからそう感じているだけの可能性もある。アメリカでは国際養子縁組も盛んで、それがまたドラマを生んだりする。出身をいじられたり、母国の生みの親との関係性とか。
ところが本作では韓国出身のアントニオがアジア人として虐待されるシーンがない。当たり前に生活し、家族を養おうとがんばってる姿が描かれる。そして訪れる理不尽な扱い。アメリカの警察の暗部を見せられた感じで嫌な気分になる。
養子縁組していても市民権が与えられていない人がいるという事実に驚いてしまった。制度の落とし穴的なものだが、30年以上暮らしてきてそれはない。納得いかないよな。
でも、アントニオがとった行動も納得いかない。同情の余地はあるが、そんなことしちゃダメだ。でも、彼の苦しみや悲しみは十分に伝わった。彼らの今後を想像するとゾッとする。そして、こんな仕打ちを受けた人たちが他にもたくさんいることにも驚いた。

kenshuchu