「音楽が想定外に気に入った」ミラベルと魔法だらけの家 ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽が想定外に気に入った
公開時は、あまり話題になってなかったように思う。南米でメガネ女子だと、日本人にはスルーされてしまうかな。事実、私もまったく観る気にならなかったし。テレビで放送するなら観てみるか、くらいな姿勢だったが、作中のラテンな音楽がめっちゃはまった。意外にラテン好きな自分を発見して驚いた。あと、ミラベルの表情がすごく細やかで、とても良かった。笑顔がゆっくり消えていくところなんか出色。
登場人物の中では、ルシータに感情移入してしまった。力持ちのギフトを受け、重い物を何でも担げる彼女は、人にあれこれ仕事を頼まれる。ピアノを持って来たり、ロバが逃げりゃ回収しに行く。でも、このギフトがなくなったら、自分の存在意義はあるのだろうかと悩む。その歌「Surface Pressher」がすごく胸に刺さった。刺さりすぎて、動画で何回も観て、日本語版に英語版、27言語をつないだ版(全部別人なのに声色が違和感なし!)、舞台での歌唱まで観た。舞台ではロバの着ぐるみのダンサーがバックで踊り、もーおかしくって楽しくって。ロバ最高!! アベンジャーズのようなルシータも、花のように美しいイサベラも、周囲の期待に応える毎日にストレスが溜まっていた。特殊能力を持つ者の、プライドとストレス。
魔法は消えても、人々の善意により蘇る。再生の魔法を使うことが、ミラベルに与えられたギフトだったのかも。温かい贈り物をもらった気分になれた映画だった。
日テレ金曜ロードショーを視聴。
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