「“過去最高"に恥じない傑作」沈黙のパレード あいわたさんの映画レビュー(感想・評価)
“過去最高"に恥じない傑作
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ガリレオシリーズの映画第三弾。過去最高傑作との呼び声にも恥じない最高傑作だったと思う。
容疑者Xの献身こそ最高傑作と思っていたが、容疑者Xの献身が堤真一に頼った1点突破型の純愛本格ミステリーだったのに対し、沈黙のパレードは愛する子供を失った家族と地域の愛情を感じられる群像劇の傑作でした。
仮想パレードやのど自慢大会という、やや昭和的なイベントもノスタルジックで、この暖かい物語を盛り上げてくれてお見事。
あと5年前くらいに観たかったかなぁ。良い映画ですが、流石に福山雅治も北村一輝も少し老けました。
あと、指摘は無粋かもしれないが、殺人方法だけは謎だったなぁ。
自分も学生時代に液体窒素を扱った理系の端くれだが、液体窒素って、シンプルだが使用者もかなり危険。酸素計も無く換気の悪い室内で使用するなんて前室も窒素が充満する危険性があるし、部屋に踏み込むなんて下手したら即気を失いますよ。
確かに、あの方法なら人は殺せるでしょう。でもそんな液体窒素を思い付く理系の人間なら、別の安全な殺人方法を採用するでしょう。何せ睡眠薬まで飲ませているのですから、直接絞殺しても良いですし、おなじように事故に見せ掛けるにしても練炭やドライアイスで十分です。(練炭もかなり危険だが液体窒素よりは扱いやすい。)
布団中の水分量から裏付けというのも、流石にそれは根拠とは呼べないでしょう。
いや、東野圭吾氏の作品は好きですし、多少無茶な設定も普通の作品なら良いと思うのです。ただ、理系を前面に押し出したガリレオシリーズでこれはちょっといただけない、というのが私の感想です。
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