「しがらみのもどかしさ」JOINT しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
しがらみのもどかしさ
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主人公が娑婆に出てきて、昔の伝手を頼って社会に戻っていくのを見ていると、やはり持つべきものは頼れる仲間だなと思う反面、中盤以降足を洗いたいと願うことに対して協力関係にある人間の反発を受けたり、可愛がってた弟分をやられて結局その世界から抜け出せないというのも、人生の難しさだなと思わされる。
私がこの映画の大きな魅力だと思うのは、とにかく登場人物全員から、なにかしらのヤバイ空気感が出ていること。いわゆるヤクザ映画にあるような、誰もが見て分かる凄みというよりは、何がどうなっちゃうのか、誰が何をしでかすのかというヒヤヒヤするような危なっかしさが全編通じて張りつめているところだと思う。
しかし、現代日本の詐欺などの犯罪がどのように行われているかを垣間見れて恐ろしくもあった。そういうストーリーの骨子と前述の登場人物の雰囲気すべてひっくるめた生々しさで、上映中は目が離せなかった。
今後もこういう日本映画を味わう機会が増えたらいいなと思えた。
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