「バレリー•ルメシエの独壇場」ヴォイス・オブ・ラブ ジョーさんの映画レビュー(感想・評価)
バレリー•ルメシエの独壇場
バレリー・ルメルシエ。初めて聞いた名前だ。歳は59歳。ベテラン女優である。が、彼女の出演作をひとつも観たことがない。私にとってノーマークだった女優が、監督、脚本、主演を張って、セリーヌ・デュオンの自伝をコーディネートしている。
カナダ・ケベック出身で英語が話せなかった。14人兄弟の末っ子で育った。年の差婚ながら夫への深い愛があり、子宝にも恵まれた。
そんなタイタニック号のテーマでしか知らなかった、ディオンヌの背景をつまびらかにしてくれた。
それも幼少の頃から円熟味を増した現在までひとりで熱演。
こんな凄い女優がフランスにいたとは。
ディオンヌの思い入れが十分伝わってきたし、長回しを廃して、テンポよく場面を推移させる手法も効果的だった。
粗削りな面は否めないが、ハリウッド映画では描けない、フランス流ユーモアとペーソスが満ち溢れていた。
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