劇場公開日 2021年12月24日

  • 予告編を見る

「何か思い切りが足りないかな」ヴォイス・オブ・ラブ 藤崎修次さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0何か思い切りが足りないかな

2022年1月3日
Androidアプリから投稿

「世界的歌姫セリーヌ・ディオンの半生をモチーフに描いた音楽映画」

この紹介文のとおりなのだが、なぜ伝記映画と謳わなかったのだろう?
50過ぎのおばさんが12歳の少女時代を演じたことへの後ろめたさ? スケート靴で面接に行った等、少し盛ったエピソードへの引け目?

確かに今なお第一線で活躍する世界的歌姫への配慮は必要だったろうが、曲を使用している以上本人の許諾も取っているのだろう。ならば、フィクションであることを強調する必要は無かったのでは?

あくまで、コメディー映画に徹するのなら、歌唱シーンもバレリー・ルメルシエの歌声をそのまま使えば良かったのだろうし・・・

「ボヘミアン・ラプソディー」が興行的に成功したのは、誰もが知るヒット曲を制作過程から歌唱シーンまでしっかり描いて音楽映画の本分を踏み外さなかったのも大きかったと思う。
その点、My Heart Will Go Onの場面をあまりにもあっさり流したのは、ちょっとどうなの? と思ってしまう。(恐らく、劇中にあるとおり本人がこの曲を気に入っていなくて忖度したのかと思う)

ただ、バレリー・ルメルシエは充分若々しく魅力的だし、歌唱を担当したシンガー(ビクトリア・シオ)の歌声も声量があってセリーヌにしっかり寄せることが出来ていたと思う。

藤崎修次