「若い時くらい目立ったって良いじゃない」POP! 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
若い時くらい目立ったって良いじゃない
チャリティー番組『明日のアース』でオフィシャルサポーターを務める柏倉リン。
番組では「世界平和」を掲げて募金を呼びかけるが、現実では上手く大人と噛み合わない。
そんな彼女の19歳、コドモとオトナの境目の物語。
舞台挨拶付きで鑑賞。
なんとも奇妙で奇抜な映画体験だった。
Aru-2氏のお洒落な音楽の流れる中で繰り広げられる、リンのシュールでリアルなファンタジー。
ぼんやりと生きているけど、なんだか満たされず、将来もはっきりと見えない。
「自分の夢ってなんだっけ。自分は何になりたかったんだっけ。」
彼女の姿は今の自分とすごく重なった。
爆弾魔に突きつけられる、ハートか?ケツか?問題。
そんなのどっちだっていいと大人からすれば笑うポイントかもしれないが、リンにとっては物凄く深刻な問題。
真面目が故に空回りしたり、間違った方向に進んでしまったり。
純粋すぎるリンちゃんを救ってあげたいと思っていたけれど。
髭をつけて車を運転して、どうやら彼女は心配なさそうだ。
あまりの異色さに賛否は分かれそう。
ただ、三河悠冴さんが舞台挨拶で仰っていたのだが、鑑賞後脳裏に浮かぶシーンがかなり多い。
かなり刺激的な体験ができるのは確か。
個人的には、AIスピーカーとのやり取りがツボ。
どこか恐ろしくも切なく、楽しくも退屈で、心地よくて気持ち悪い。
この作品、忖度なしで好きです。
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