くじらびとのレビュー・感想・評価
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どちらの側に立つのか
400年先祖から伝わった技を守って、死ぬほどの危険を冒し、みんなが生きるためにやってきた捕鯨。
同じ捕鯨でも油だけ?肉だけ?必要以上に貪り、たくさんの人間が群がり組織を作りリスクは最小限、それを維持発展させるための捕鯨。
鯨の立場ならどうなのか?
捕鯨そのものに良いとか、悪いはない。
鯨に感謝
日本の網式捕鯨もこんな感じだったのだろうか?
太地ではセミクジラが多かったと聞くが…。
捕鯨問題は賛否両論あるのは承知しているが、責任と権利(領海)という範疇の中でやっているものに他人がとやかく言うべき問題ではないと思う。
持続させる責任を負負わなければ、どれだけ存続させたくても、出来ない話なんだから…。
我が国のように伝統とか文化で権利を主張するのなら、それこそ船外機もクレモナロープ?も使わないことだけど、時々映っていたスマートフォンを持つ人を見るにつけて、それを実現することは厳しいのかなぁ…とも思った。
そして、GPやSSは、彼らにはお目こぼしなんだろうなぁ…。
捕ってる数が少ないから?
まあ、結局、最後の「鯨に感謝する」に集約するんだろうなぁ…と思った。
考えさせられました。
その迫力に引き込まれた
鯨漁と共存するラマレラ村。
神に祈りを捧げ、言い伝えを守りながら400年続く銛一本で鯨を獲る。その鯨を捕獲する時の男たちと鯨との死闘は迫力がありスクリーンに引き込まれた。
それは撮影の仕方にも凄さを感じる。船の上、上空、また海中といろんな目線からその姿が垣間見える。
作り物の作品とは違う、ドキュメンタリーならではの作品。
そして青くきれいな海原、暮らす人々の感情、音楽からも全てが心に残る作品だと思う。
小舟での捕鯨シーンは圧巻
捕鯨文化のドキュメント
捕鯨と言えば寒いところと思いきや、インドネシアであるんですね
一人の子供にスポットを当ててるようだったので、その成長を描くのかと思いきや外れました
船づくりの苦労や鯨が捕れない捕れない時の暮らしも欲しかった
でも、捕鯨シーンは圧巻!
これだけでも大画面で観る価値はあるでしょう
現地の人?がスマホで撮ってるのが、?でしたが・・・・・
*途上国は無線しかないのでスマホが普及している
くじらびと
新宿ピカデリーのモーニングショーで大画面、大音量のスクリーンで観ることができました。
ラマレラの村人が生きるために銛一本で鯨に立ち向かう命懸けの漁。石川梵監督が30年間ラマレラに通い続けて本物を撮り続けたドキュメンタリー。試写会で見た作品とは全く違う深い感動がありました。石川梵監督の全作品「世界でいちばん美しい村」同様、何度も通い続けたいと思います。
今年ベスト級。大きいスクリーンで見るべき作品だ。
写真家の石川梵が、『世界でいちばん美しい村』で地震に襲われ困窮していた村を撮った初監督作品に続いて、写真家としてのライフワークと言えるクジラ漁で生計を立てる島民を新たに撮りあげた『クジラびと』を鑑賞。
前作では、彼の写真作品の東北地震と同様に大地震で困窮した人を扱うジャーナリズムとボランティアリズムが混じった感情の中で製られたものであるのに対して、本作はひたすらに海とクジラに対する畏怖の念を感じる。撮影する側として、映画の画面やインタビューのやりとりに極力介在しない姿勢が貫かれており、それは淡々と描きながらも目の前にある海と島民のクジラと共にある生活を畏怖の念を持って描く事で観客も島に実際に訪れたかの様な錯覚を覚える。そしてクジラ漁のシーンは、鳥肌がたつシーンの連続であった。傷付いたクジラの鮮血やマンタが船に体当たりしてくるシーンなど、これらは思った以上の迫力で作り物ではない本物の画であった。これは是非、映画館の大きなスクリーンで見るべきものだ。
そして、取材中に船大工の次男のベンジャミンのアクシデントなど、悲しいシーンとそれを跳ね除けていく様には心打たれるものであった。島の人々の真剣に生きる様を見せつけられた。今年ベスト級の作品だ。
もっと村人の生活が見たかった
良い映画だと思います。写真家、映像作家の石川梵さんならではの視点で描かれていると思います。30年間通いつめたあの島、あの村、そしてあの人たちに寄り添おうとする優しさが伝わってきます。それゆえに厳しさが少し欠けているように見えました。
おそらく思い入れが強く、同情してしまうところもあるのでしょう。ドキュメンタリーにおいてはそういった同情は不要です。
本映画のHPではSDGsについて書かれていましたが、それについての明確な“演出”は見受けられませんでした。持続可能な社会、持続可能な生産、これは先進国の人たちが勝手に作り出した理想論という欲望であって、あの島の人たちにとっては全く理解不能なのではないでしょうか。ですから敢えて訴求しなかったのかもしれません。
ただ私としてはこのクジラ漁が彼らの伝統であり産業であり、そして文化芸術たる所以をもう少し知りたかったのです。彼らの生活にどれだけクジラが密接な役割をしているかと言うことをもう少し突っ込んで欲しかったです。
クジラは捨てるところがないといいます。であるのなら彼らの「つま先から頭のてっぺんまで、すべてクジラによって成り立っている」くらいのメッセージが欲しかったです。
あとドローン映像が多すぎる気がしました。30分に一回で良いです。飽きちゃいます。ドローン映像を差し込むと俯瞰で見る形となり、第三者として冷めた目で見てしまうところがあるんです。
であるなら船に乗ってカメラを担いで接近して撮影する方が躍動感と彼らの人生が伝わると思いました。
次回は和歌山で続編を撮って欲しいですね。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
鯨漁にまつわる人間模様と迫力映像に感動!
前作「世界でいちばん美しい村」の公開から4年半。写真家 石川 梵監督が手がけた二作目の映画は、インドネシア ラマレラ村の400年の歴史がある鯨漁を長期取材したドキュメンタリー。
迫力ある音と映像で、その場にいるような臨場感、ハラハラドキドキの展開に引き込まれて、あっという間の2時間。
木造船の手漕ぎで鯨に立ち向かうシーンのカメラワークは見応えあり。
本作のテーマの一つを表現した、ラストのノーカットロングシーンは、深く心に刻まれた。
もう一度観たいと思える逸品。
美しい海、人々の暮らし、鯨の目
脚本もなく、CGもない本物の映像で、だからこそ心揺さぶる素晴らしい映画でした。銛一本で鯨に立ち向かう姿、鯨に感謝し祈る姿、船も帆も綱も銛も全て手作業で作る姿、一つ一つが驚きと感動の連続でした。そして、鯨の目を象徴として、鯨の側の感情も見事に表現されていました。雄大な海と鯨漁の臨場感、ぜひ大きいスクリーンで観たい映画です。
捕鯨と共に。
クジラが捕れたら村は安泰。親から子へ命懸けの捕鯨が受け継がれる村のドキュメンタリー。あんなちっぽけな漁船で捕鯨で生業をたてるなんて凄い。真紅にそまる海も凄い。抵抗して暴れるクジラも凄い。お金を必要としない充実した生活を見せられる。空撮を駆使した迫力の捕鯨シーンは圧巻だった。
鯨漁で何百年も命をつないできた 小さな村 ここでは捕鯨が生活の基盤...
鯨漁で何百年も命をつないできた
小さな村
ここでは捕鯨が生活の基盤だから
国際捕鯨禁止令から免除されている
鯨のモリ打ちのシーンは
迫力があった
一対一の命懸けの戦いで
得られた恵は
村人全員で分かち合い
肉も皮も油も余すところなく
全て使い切る
バリに行けば仕事はあるけれど
お金に追われるのが嫌だから
村に戻ってきたという
男性の言葉が胸に響いた
ここにあるのは
伝統を守り
和を大切にした
シンプルな生き方
【飽食の時代を考える】
※ これはレビューというより、独り言みたいなものだと思って下さい。
前、NHKスペシャルで、「クジラ対シャチ」というドキュメンタリーを放送していた。
その1、2週間後に、生きたダイオウイカを初めて撮影したというドキュメンタリーを放送していたので、話題はこっちに移ったが、僕は、クジラの話の方が好きだった。
北の海に移動中のクジラの親子をシャチが群れで分断して、子供のクジラを海中深くまで引きずり込み、窒息させて殺そうとするのだが、別の種類のクジラが複数現れて、その子供のクジラを救という内容だった。
これを見たからというわけではないが、僕は鯨肉を食べない。
正確に言うと、食べなくなったのだ。
昔、デンマーク人の友人と、日本の捕鯨について話した時、敢えて食べる必要がないなと考えるようになってから、何故か、自然と鯨肉を食べる機会が僕の周りから消失した。
日本の伝統的に貴重なタンパク源と言う僕の主張に対し、問題の所在は違う、日本の商業捕鯨の効率性の問題だと、彼は主張していた。
日本の捕鯨は、昔は近海だけで行われていた。
しかし、商業的な価値を見出した水産企業が、大型捕鯨船を建造し、遠洋に進出、船の建造コストや、遠洋に行くためのエネルギーコスト、船だけではなく水産企業で働く人の人件費まで考えたら、数十匹の鯨では足りはずはなくて、更に、捕鯨業務から得られる利益を最大化するために、もっと多くの捕鯨船を建造して…、相当数の鯨を獲りまくったのだ。
もっとも、昔は、鯨油を取ろうとしたアメリカやオーストラリアの捕鯨によって鯨の数は激減していたし、その後は日本の商業捕鯨が追い討ちをかけたのだ。
日本の報道を見ていると、反対運動の違法とも思えるシーシェパードの妨害活動が注目されたりするが、現在、IWCを脱退し、商業捕鯨を復活させた日本が、どの辺の海で、どの程度の数のどんな種類の鯨を捕獲しているのか知ってる人はどれくらいいるだろうか。
このインドネシアの村の1500人が1年間暮らせるとするクジラ10頭に対して、日本は近海、つまり、排他的経済水域内で、ミンククジラを、IWCがかつて調査捕鯨で認めていた500から600頭、捕獲しているのだ。
昔と比較したら、事業として継続するギリギリの水準で、もはや、これは貴重なタンパク源云々というレベルではないと思うし、食料の安全保障を考える上での満足できる水準でもないだろう。他にタンパク源を確保する方法はあって、そちらの方が食料安全保障の目的に実は合致するのではないのか等いろいろ考えてしまう。
僕達は豊かな日本で生活すると同時に、環境を意識しながら、こうしたインドネシアの村の人達が、急激な気候変動などないなかで、安定的に食料を確保して、命を繋げることが出来るように様々なことを考えるべきなのではないかと思う。
日本で、ご近所の鯨肉を振る舞うお店が続けられるのは良いことだと思うが、それで終わりということではないだろう。
この作品、意義のあるものだと思うが、クジラの断末魔に近い叫び声のような声は心をえぐられるようだったし、死んだクジラの目も、同様だった。
命とは何なのか、知らせるための演出なのだと思うけれども、好きにはなれなかった。
鯨漁の空撮映像だけでも見る価値あり!
インドネシアの人口1,500人ほどの小村・ラマレラ村で伝統の鯨漁を受け継ぐ人々を撮ったドキュメンタリー。
コバルトブルーの美しい海で、小さな木造船と銛一本で挑む鯨漁の、美しく大迫力の空撮映像だけでも十分に観る価値があるでしょう。
年間10頭獲れれば島民全員が食べていけるとされる鯨漁を通して、彼らが〝家族やコミュニティーの和〟をどれ程大切にしているか、人間の幸せとは何かなど、胸に沁みるメッセージが込められていると感じます。
そんなラマレラ村でも、長老たちの「最近の若い者は…」的な愚痴もあったりして、どこも同じなんだなぁと妙な面白さもありました 笑
写真家としてラマレラに30年通い、住民との信頼関係を地道に築いた石川梵監督の熱意と継続性に頭が下がる思いです。
心が洗われた気持ちですが、予告編にもあった「本当のSDGsがここにはある」という、途端に金の匂いがしてくるキャッチコピーはいかがなものかと…苦笑
彼らは別に原始的な生活をしているわけでは無く、船の動力は手漕ぎからエンジンになり、当然のようにスマホも普及しているのです。
鯨の銛打ちが将来の夢だと言う子供たちが大人になる頃も、ラマレラは今のままなのかなぁ…
たくさんの人に見て欲しい本物のドキュメンタリー映画
ちょっと違う視点から
・年に何頭がしか捕れない鯨漁に乗船、同行出来る人間関係構築は一朝一夕には出来なかった
・役者は一人も居ないドキュメンタリーなのに、登場人物たちの個性が強烈に光る
見終わった後、30年にも及ぶ交流と撮影の舞台裏に心底頭が下がりました。
一人でも多くの方にご覧頂きたい。
鯨の涙に心が震えました
CGでどんな映像でも作れてしまう今の時代ですが、本物の映像にしかない圧倒的な力がこの映画にはあふれています。そしてその根底には30年前から取材を続けてこられた石川梵さんの計り知れない思いとエネルギーがあるのでしょう。鯨の目が、私の心を突き抜きながら、命について深く問うてきました。
ぜひ、たくさんの人に観てもらいたい!
本『鯨人』から、ずっと出来上がるのを楽しみにしていた映画です。
そして、今日試写会を観て、期待を裏切らない、いや、期待以上の映像、ストーリー、音、もう、胸がいっぱいになりました。
石川梵監督の前作「世界でいちばん美しい村」を観た人なら、監督の空撮や、空の美しさを覚えていると思いますが、今回はそれに海!
景色の素晴らしさを思う存分に伝えています。そして、船の上、漁の迫力。生きている人間の力強さや心の柔らかさ。
それに、生きている鯨と死んでいる鯨。
ラマファが言う「鯨を殺すけれど、ーーーー」という言葉に、この村の人々の暮らしと想いが詰まってる気がしました。
この監督のファンで世界でいちばん美しい村も何度も観た。 一見壮大な...
この監督のファンで世界でいちばん美しい村も何度も観た。
一見壮大な海洋アドベンチャーものにも思えるが、そこには通奏低音のように同じものが流れていた。それにしても人も海も空も、コロナ の日常から見るとなんと眩しいのだろう。
そして何度も出てくる鯨の目が、まるで神の目のように自分を見つめているように感じた。
心の奥底まで沁み入る、ドキュメンタリーの傑作だと思う。
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