「伝統を守り続ける彼らの意志!」くじらびと caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
伝統を守り続ける彼らの意志!
彼らは、船の動力に船外機を使うが、くじらを撃つのは、自分達の体であり、手だ。
銛を撃つ銃のようなものは決して使わない。
船も、その船の帆も、銛も、すべて彼らの手作りだ。
くじらを小さな木造船で追い、漁をする。マンタやエイも漁の対象だ。
人間の手で、くじらに向け銛を放つため、命を落とす者が出てくる。しかし、彼らは文明の力を使うことを良しとしないのだろう。
実際のくじら漁は、息をのむ緊迫感が伝わってくる。船に乗り、映像を撮る方も命がけだろう。
巨大なくじらは捕れれば大きな恵みとなるが、いつ捕れるかはわからない。彼らの住む場所には、文明や貨幣経済も存在しない。狩猟と農耕と物々交換の世界があるのみだ。
彼らの内のひとりが、「バリ島にいたときは金に追われていたが、ここでは、金が無くても生きていける。」と言っていた。まさにそのとおりだろう。
この映像を撮り続けるのは大変な労力だと思う。本当に見る価値のあるドキュメンタリーだ。
映画館のスクリーンで、ぜひご覧いただきたい!
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