「鯨漁の空撮映像だけでも見る価値あり!」くじらびと 葵蘭シネマさんの映画レビュー(感想・評価)
鯨漁の空撮映像だけでも見る価値あり!
インドネシアの人口1,500人ほどの小村・ラマレラ村で伝統の鯨漁を受け継ぐ人々を撮ったドキュメンタリー。
コバルトブルーの美しい海で、小さな木造船と銛一本で挑む鯨漁の、美しく大迫力の空撮映像だけでも十分に観る価値があるでしょう。
年間10頭獲れれば島民全員が食べていけるとされる鯨漁を通して、彼らが〝家族やコミュニティーの和〟をどれ程大切にしているか、人間の幸せとは何かなど、胸に沁みるメッセージが込められていると感じます。
そんなラマレラ村でも、長老たちの「最近の若い者は…」的な愚痴もあったりして、どこも同じなんだなぁと妙な面白さもありました 笑
写真家としてラマレラに30年通い、住民との信頼関係を地道に築いた石川梵監督の熱意と継続性に頭が下がる思いです。
心が洗われた気持ちですが、予告編にもあった「本当のSDGsがここにはある」という、途端に金の匂いがしてくるキャッチコピーはいかがなものかと…苦笑
彼らは別に原始的な生活をしているわけでは無く、船の動力は手漕ぎからエンジンになり、当然のようにスマホも普及しているのです。
鯨の銛打ちが将来の夢だと言う子供たちが大人になる頃も、ラマレラは今のままなのかなぁ…
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