「偽善者」ザ・デア 理由なき監禁 なつさんの映画レビュー(感想・評価)
偽善者
タイトルに「理由なき」なんて書いてあると、ホントに?〜って邪推するよね。
捕まったのは美しい妻と2人の愛らしい娘を持った夫ジェイだった。
捕まった場所にいたのは自分含めて4人。1人は口を縫われ死にかけ。
俺は悪い事なんてやってないぞー!チャリティーだってやってるし献血だって1回やってるぞー!って謎キレ。
それ見てて、うわぁ、この人すぐ死ぬか最後まで痛ぶられて死にそう…とか思う。願う。こういう人嫌い。
まぁまぁ、異常事態なのは分かるけどまずは他の人の話も聞こうよ。それ大事。
監禁された者達がお互いの名前とここにつれてこられた経緯などを語る傍らで、ある父親と少年の情景が浮かび上がる。
そこから逃げようとする少年、しかし彼は戻ってくる。そして男を父親と呼ぶようになる。威圧的な父親と終始怯えた少年の歪な親子関係。
1番最後に入れられたジェイはとにかく足掻くが、2人はそれを制しする。連帯責任として誰かがヘマするととばっちりがくるのだ。
口を縫われた男性はきっと最初に散々絞られたであろうが、皮膚を剥がされてしまう。
食事は生肉、取り合う2人を見れば何日監禁されているのかが分かる。
とにかく、大人しくおもちゃになるしかないのだ。2人はその事実をほぼ受け入れて時々入る皮膚仮面の男に怯えながらひっそりとしている。
あの、ゴキみたいな虫を踏みつけたら刃物みたいなのが出るのよく分からなかったが、それでジェイクはワイヤーを擦り脱走。ダクトを通るも失敗に終わり、とばっちりを受けたキャットはゴキを飲まされる。
なんだか、拷問というか緩いな〜な感じ。
ワイヤーなんて簡単に切れるし、ゴア〜な展開もこない。ゴキは確かに嫌だけども、もっと何かない?とちょっとイラッ…
3人で犯人について話をする。喋らない、皮膚の仮面…そして死にかけ男が砂に書いた蹄鉄のマーク。
そこで思い出す。20年前に森で出会った少年のことを。
トレーラーハウスに住んでいたドミニクは当時のジェイ達4人に仲間にしてやるからと、虫を飲まされたりかけられたり農具小屋へ1人で入れなどといじめられていた。
その時、キャットが2分で出てきたらキスしてあげると笑う。他の男の子は20年かかるゼ〜ゲヘヘとか言ってたら本当にそこの家の子になってしまい、20年後に監禁、復讐にきましたよと。
あぁ、だから暴力とかではなく自分が受けた虫や農夫に生肉を渡されたりと自分の過去の仕打ちを押し付けていたのか。しかし、虫大好きな子に育ちましたねぇ。
SっけなのかMっけなのか分からない義父と暮らしながら性癖の捻じ曲がった強い子は義父を殺害し、人の皮膚で仮面を作り復讐を待つ。
そんな背後を知ってしまえばなんとなく仮面男の方を応援したくなる。子供の頃の陰湿ないじめはやった方は覚えてなくてもされた方は覚えてしまうもの。
20年か〜。覚えてるギリギリの記憶かもしれない。
4人もいるのだから、ドミニクの事は忘れてもお互いを誰か覚えていても良さそうだけど。
ドミニクと仲直りしよう←は?
2人が死に最後1人戦うジェイ。
もうすでにドミニクめっちゃ喋るじゃん。
悪魔を出すから刺せって言われましても意味が分からないのですが?
まぁ、ジェイは愛する我が家へ無事に帰りましたとさ。
あ〜、なんかスッキリしない終わり方!と思ってたら10年後ジェイの成長した2人の娘が森の中で焚き火を囲む。そこに2人を襲う手が!すっかりビッチに育った娘と娘達の行方で二重に悲しむジェイを思うとすこしスッキリした。
目に虫は確かに嫌できつかったし復讐と言う体で虫拷問ってアイデアは良かったけど、全体的にモタモタしすぎで中弛みが酷い。もう、そういうのいいからって何回も思った。