「やりたいことは分からんではないが、、、」グッバイ、ドン・グリーズ! スキピオさんの映画レビュー(感想・評価)
やりたいことは分からんではないが、、、
メインプロットは「あのはな」「スタンドバイミー」ですね。高校生男子3人のひと夏の冒険で、まあ、それは良いです。定番な設定は面白いから何度でも使われるので、それ自体は問題なし。ただこのフレームを使うならビルドゥングスロマンになっていないと、成り立たない。人は何かを失い、少年から青年へと成長するんでしょ。でも本作品では、そこが伝わらない。ロウマとトトはドロップを失い、何が変わったのか?
じゃあ「いえいえ、そんな説教臭い話でなく、エンタメなんです」というかと思えば、やたらと暑苦しい感情演技の連発で何がやりたかったのか、、、。リアリティレベルも、言い出したらキリがないほど破綻しているので、いっそのこと、ファンタジー設定で作れば、面白いものになったかも。
本当はこの話、ロウマとトトの二人で成り立つ話ですね。ドロップは初めから二人の妄想で、実は二人が好きだったチホリちゃんや何とか先輩の代償なのかも。で、二人の想いは繋がらなかった電話のように結局想いは伝わらなかった、というメタファー。だから、ラストで「この電話は誰からなんだろう」というのは、きっと君たちと繋がりたいと想う人はいる、という希望。って、最大限、よい解釈をすれば、こんな感じです。
あと、しょーもないことをつらつらと。どうも男でも裸の表現には規制をもっている感じですね。絶対に乳首を描かない。乳首がないので不自然になるので、アップが長くなるシーンではパーカーやカメラのストラップが「絶対領域」を隠すのですね。
あと、カメラのNikonが提供なのか、不自然にカメラの素晴らしさを語りますね。最近、実写映画でも良く見かけますが、やたらとカメラを推す。どうにもオモチャやプラモデルの為に不要なシーンを入れていた時代を思い出して笑ってしまいますね〜。