「劇場オリジナルアニメの今後を(少し)左右する作品」グッバイ、ドン・グリーズ! J alpinixさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場オリジナルアニメの今後を(少し)左右する作品
他の方も言及してる通りスタンドバイミーの構造を下敷きにした、青春群像(?)劇。死体を探す代わりにドローンの映像を回収に行くことにしたのは現代風アレンジだが、旅に出る動機が自分達の保身なのでワクワク感が薄れてしまっている。(ドローンは二次的な目的で、割合的には冒険!に行くぞの思いが強いはずなのだがその辺の説明が薄いというかほぼ無い)。
ちょくちょく、その辺の裏設定?を補完する場面がでてはいるのだがわざとなのか、絵コンテ省略したのか、圧倒的に説明不足になってる。(野焼きで火事の危険性が、の授業でスマホをイジってるとか、恐らく世間的には主人公達の無実は公然の事実で本人、少なくともロウマは気付いてる)
それでも何かを期待させるドロップの言動に引っ張られて一夏の思い出を作るために冒険に行きたいのだろう。
田舎のアルアルと、ツッコミ設定のそれは無い(夜の山とか)がごちゃ混ぜになって、土台のリアリティがしっかりしてないせいで、その上に積まれる不思議な事象が刺さってこない。
恐らく尺の問題で、カットしたエピソード(ドロップが参加した場面、沈んだ道に着いた前後、トンネルの前後で明らかに日差しが異なるなど)が無いせいで視聴者を置いてきぼりにしている。
途中で思ったが、これ12話ワンクールで作る内容を無理矢理90分に詰め込んだのではと考えた。それだと、重要な後半パートの扱いの雑さも含めて色々と辻褄が合う。
あとちょいちょい出てくる暗示的なカット(トンネルをくぐると、、、水没した道、廃車の横で光が差す広場)が、過去映画オマージュなのかパクリなのか微妙で、個人的にはモニョモニョした。
本編の感想はここまで。
公開初週末の都内劇場でガラガラ(120人席に十数人の入りはやばい)で、
呪術廻戦の記録的ヒットと対照的に劇場の出足が危ぶまれる作品。ポンポさんの時もそうだったが、劇場オリジナル作品の集客の難しさがことさら取り上げられるようになったが、それをよく表していると思う。おそらく興収5億といつたところ。
コロナで映画やアニメの主役がプライムビデオやNetflixなどにシフトしていく中で、劇場オリジナル作品の宣伝の仕方は見直す段階に来ていると思う。