「ぶっ生き返す」ドント・ブリーズ2 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ぶっ生き返す
前作はだいぶ前に見た記憶があります。善人のいない珍しい映画だなと思いました。
まさかの続編公開決定には驚きました。一つの作品として終わった前作の続きをどう描くのか、爺さんが主役で物語をどう展開するのか、という点です。
率直な感想として、想像を遥かに超える面白さでした。ストーリーのテンポがとても良く、グロ描写も最高、カメラワークも最高でした。
まず、ストーリー。前作は爺さんの衝撃的な過去があったせいで、面白かったのですが、どこかテーマが散漫してしまったなと思いましたが、今作は家での攻防から娘の救出というとても分かりやすいストーリーになっていました。その分かりやすさの中に、善悪の曖昧さや、ゴア描写を挟む事によって、ストーリーに厚みが増して、面白かったです。爺さんは火事での出来事の中で、倒れていた子を娘として育てるという一見良い話に見えますが、普通に他人の子を盗んできているので問題行為でした。かといって、本当の母親と父親もかなりのクズで、母親の延命のために、実の娘の心臓を移植するという暴走行為に走ってしまいます。どっちも危ないやつらに挟まれている娘は大変です。
次にカメラワーク。この作品の魅力を高めているものだと思います。まず序盤の父親率いるチームが爺さんの家に侵入してから、一旦家を抜け出すまでをワンカットで撮っているあたり、静けさを長尺撮るという超大変な撮影方法を劇場で見れた事に感動です。爺さんの圧倒的聴覚から繰り広げられる表現方法も最高です。水面から伝わる音を手から感じ取り、全員銃で撃ち抜くという素晴らしいシーンでした。最後に見下ろす形で娘を見送るカットも最高です。鏡越しで登場人物を映しているのも良かったです。
続いてグロ描写。これもR指定として文句なしのグロさでした。今作のメイン武器としてトンカチを使うのですが、これがまた残虐性を増しています。接着剤で口をくっつけて、呼吸するために頬に穴を開け、結局ガラスの破片で口を切り裂くという目に痛い行為か延々と続き、興奮と驚嘆が同時に起こってしまいました。思いっきりトンカチで顔面をぶち殴って顔を変形させたり、骨を砕きまくったり、目を手でくり抜いたりと、残虐さのオンパレードでした。娘(フェニックス)が、底へ落ちていく寸前に母親の腕を切り落とすというこれまた目に痛い行為もあり、フェニックスが実の父親にトドメをさし、父親も底へと落ちていく衝撃的な終わり方を迎えて、度肝抜かれました。
娘は家族との別れを経験して、養護院に向かい、新たな人生の一歩を迎える時に名乗った名前は生まれた時につけられた名前ではなく、爺さんのつけた名前の「フェニックス」でした。くぅ〜!痺れる!
最初から最後までダレる事なく緊張感が続き、終わり方も素晴らしい。B級感漂う内容ながら、一線級の至高の映画でした。続編もあるのかな?あるなら是非観てみたいです。
鑑賞日 8/17
鑑賞時間 15:25〜17:15
座席 H-4