「人は変われる、変わらなくっちゃ。」異動辞令は音楽隊! 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
人は変われる、変わらなくっちゃ。
コメディだと思ってた。
こんないい映画なのに危うく見逃すところだった。
30年間、家庭を顧みず、仕事一筋に、身を粉にして働いてきたのに、今の世の中に合わないからといって否定される。主人公と同じような思いをしている中高年は多いはずだ。
変わったのは世の中だ、しかし理不尽だろうが、自分が変わるしかない。阿部寛演じる主人公の成瀬は、しぶしぶながら音楽隊の仲間と関わりを持つことで、音楽を通じて、変わらざるをえなかった、そして自ら変わった。
変わった結果、今までの非を認めることができるようになった。素直に謝ることが、感謝することができるようになった。
愛想を尽かされた娘と一緒に演奏ができるようになった。こんな幸せなことがあるだろうか。このシーンは泣くところじゃないんだろうけど、涙が止まらなかった。
そして最後のセッションを終えた鳴瀬の笑顔のなんと清々しいことか。
出演者も、脇役に至るまで贅沢で勿体ないと思うくらいだけど全く無駄でなく(小沢さんを除く)いい使われ方だった。俳優さんたちの本気度が伝わってくる。(「それ」とはえらい違い)
犯人逮捕のところだけ少し残念だったけど、映像も音楽も良く、個人的に刺さるところの多い作品だった。
映画っていいな。
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