劇場公開日 2021年10月15日

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「色々と腑に落ちる内容」THE MOLE(ザ・モール) kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5色々と腑に落ちる内容

2021年11月3日
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鑑賞方法:映画館

北朝鮮の悪行を告発しようとするドキュメンタリー映画なのだが、自らが北朝鮮の役人と接触し、悪行に加担するスパイとなるところに本作の面白さがある。
まず、映像は基本的に隠し撮り。本職のスパイさながらに緊張感のある映像で驚いた。
そして、主人公?ウルリクの出世物語の側面も持つ。ウルリクは潜入した、北朝鮮を支援する団体KFAでスピード出世を果たす。人当たりがよくて誠実で、たぶん仕事もできるってことなんだろう。周りの人間の信頼をどんどん獲得していく姿が面白かった。
はじめはヨーロッパの人間がなんで北朝鮮を支援するのかわからなかった。純粋な共産主義者ならまだわかるが、それでもこんなに各国に団体が存在できるのかと。
それはスペインのKFA会長の言葉で腑に落ちた。北朝鮮は大概の国で認められていないことができる国だと。奴らは麻薬、武器の輸出で外貨を得る片棒をかつぎ利益を得ていたのか!(そうではない人もいたはずだが)
ウガンダに建てようとした工場の計画や、三角取引等、北朝鮮の闇稼業を暴く内容としては満点だ。だからこそ映画の製作者側に危険が及ばないか心配してしまう。
さらに、それだけじゃなく10年もの長期間スパイ活動を行ったウルリクの心の問題にもスポットを当てているのが妙にリアルだった。こんなドキュメンタリーもあるんだな。

kenshuchu