「動物がトランスフォームするって、どうなの?」トランスフォーマー ビースト覚醒 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
動物がトランスフォームするって、どうなの?
日本のアニメだった『トランスフォーマー』が、マイケル・ベイとスピルバーグの総指揮作成の元で、ハリウッドのSFアクション大作として生まれ変わってシリーズの7作目。本作では、車のトランスフォーマーの他に、ワシ、チーター、ゴリラ、サイなどのビーストがトランスフォームするのが売り。ただ、有機体の動物が金属ロボットにトランスフォームするって、どうなのかな…?
本作では、オプティプライム率いるトランスフォーマー軍団と、そのビースト型のトランスフォーマー達がタッグを組み、最強の敵・ユニクロンとの激闘を描いている。しかも今回のユニクロンは、自分のエネルギーとするために、惑星ごと呑み込んでしまう惑星並みに巨大ユニクロン。そこに、スラム街で育った一人の青年の成長と、ロボット達との友情物語を含めた展開となっている。
時代背景が1994年ということで、これまでのシリーズの中の前章譚となる位置づけであるが、それらとの関係性は薄く、アナザ・ストーリーとしての内容である。また、これまでの舞台は、高層ビル立ち並ぶ大都会となっていたが、本作の激闘の舞台が、ペール―の世界遺産・天空のマチュピチュというのも、斬新さを狙ったのだろう。
全体的に、ストーリーは単純で面白くないわけではないが、やはり本シリーズに期待するのは、破壊王マイケル・ベイならではの、VFXを駆使し、破壊の限りを尽くした度肝を抜く激闘映像。その点で、本作は今イチ。こうした映像を見慣れてきたせいもあるが、ごじんまりとまとまった内容で、それほど印象的なサプライズ映像は影を潜め、物足りなさを感じた。但し、ラストシーンだけは、笑えましたが…(笑)
また、トランスフォーマーの声優としては、『ヘルボーイ』のロン・パールマンや『GOT』のピーター・デインクレイジ、アカデミー賞女優のミッシェル・ヨー等、豪華な俳優陣が務めている。主人公のノア役には、『イン・ザ・ハイツ』でも主演していたアンソニー・ラモスが演じているが、相手役の女の子は新人女優の抜擢の様だが、ビジュアル的にも、演技においても、個人的には納得できる配役ではなかったのが残念。