「ベッドシーンこそ、この映画の主題では?」猫は逃げた tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ベッドシーンこそ、この映画の主題では?
前半、4人の男女の関係性の描写に、ややテンポの悪さが感じられるが、猫の誘拐を巡るドタバタからは、俄然、物語が動き出す。特に、4人が横一線になって、(主として女性2人が)言いたいことを言い合う長回しは圧巻で、本作の一番の見どころとなっている。
ベッドシーンは、製作に当たっての約束事であったようだが、決してサービスで挿入されている訳ではないだろう。夫婦のそれぞれの浮気相手とのベッドシーンはあるが、夫婦のそれはないところに、この映画の主題が隠されているように思えるのである。それは、夫婦の関係を続けていく上で重要なのは、セックスではなく、相手と一緒にいたいという気持ちであるということではないだろうか?
そして、セックスよりも愛の方を肯定しているという点において、言いたいことは、「愛なのに」と同じであるということに気付かされるのである。
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