「ハリボー猫」猫は逃げた 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリボー猫
それぞれが不倫をしている離婚寸前の亜子と広重は、飼い猫のカンタの“親権”で揉めていた。
広重は不倫を認めつつも関係を続け、亜子は聞かれることがないので自分の不倫を黙っていた。
ーそんなある日、猫は逃げた。
そして、このカンタの失踪が4人に愛の真価を問いかけることになる。
『愛なのに』も良かったけど、個人的にはこっち。
アガペーがエロースに進化する話。
最後の着地点もスッキリしていて良かった。
お互いに不倫をしてる夫婦の物語なんだけど全くドロドロしているわけではなく、あくまでもそれぞれの愛を尊重していた。
最後の横並びの修羅場は『街の上で』を彷彿させる。
確かに官能表現は城定監督に遠く及ばないけれど、どんな嫌なシチュエーションも尊い一枚の絵にしてしまうから流石。
あの修羅場シーンだけでもまた観たい。
劇場内はそういう雰囲気じゃなかったけど、クスクス笑いまくりたかった。
色々と良くできた作品。
アガペーがエロースに進化するとか、アガペーがエロースに進化するとか、まさにアガペーがエロースに進化するってことですよね(ヤケクソ)。
4人を振り回し、4人に振り回されたカンタ。
子供のいない町田夫婦にとっての子供であり、 じゃない方にとっての厄介な“モノ”。
冷静にことを見つめる猫は、もはやペットでなくキューピッド。いや、神かもしれない。
夫婦関係と恋のようなもの結末は、猫の可愛がり方で既に現れていたような気がする。
『愛なのに』は中島歩がMVPだったけれど、今回のMVPは間違いなくカンタ。
個人的には手島さんも良かったけど。
『愛なのに』での〈多田=ただ、一花=一家〉みたいな言葉遊びは今回も。
〈カンタ=簡単、ひろ(広重)=(猫を)拾った〉
若干こじつけ感あるけど、そう聞こえたんだもん。
だから、アガペーがエロースに進化したってことでしょ。
アガペーがエロースに進化する。それがいかにアガペーがエロースに進化するということか。
アガペーはエロースに進化し、アガペーはエロースに進化した。
本当にアガペーがエロースに進化する様子をまざまざと見せつけられた。
まあ、要はアガペーがエロースに進化したってことなんですけど。
>脳溶けちゃうよ〜。