劇場公開日 2022年3月18日

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「人が人といる時の気まずさ」猫は逃げた 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人が人といる時の気まずさ

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

城定秀夫と今泉力哉のコラボ企画の今泉篇。城定篇がすごく面白かったので、期待して観た。
離婚の時に子供の親権を争うのはよくある話だが、飼い猫の親権という着眼点がまず面白い。そのワンアイデアでストーリーを作っていったような感じ。
城定篇は冒頭からアクションシーンだったが、今泉篇は、人と人との関係、会話のやりとりに、とことんこだわっていく。そこで浮かび上がってくるのは、人が人といる時の気まずさ。
画面づくりでも、人と人とをきっちり写し込んで、じっくり見せる。ただ、編集のリズムで見せるタイプではないので、冗長に感じてしまうところも。
クライマックスは、登場人物4人が一同に会する長回し。女性陣がやり合っている中で、じっと黙っている、あるいは突然立ち上がってお茶を淹れようとする男性陣の姿がいじましい。
全体として男性目線だった城定篇と比べると、今泉篇は女性目線と言えるが、女性陣のセリフ回しが自然ではあるものの、ところどころ聞き取りづらかったのは残念。
カンタとミミの演技は見事。「アガペーからエロースへ」の繰り返しが、一番笑えた。

山の手ロック