「(前作と比べると)まだ見られるレベルかなぁ。」牛首村 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
(前作と比べると)まだ見られるレベルかなぁ。
今年42本目(合計315本目/今月(2022年2月度)14本目)。
結局、この映画って、評価するにあたっては、去年(2021年)酷評されまくった「樹海村」との比較があるのではないか、と思います。
・ ストーリーに何ら関係のない(関係が薄い)ものが出てくる
・ いつの話をしているのか理解が困難になるほど時間軸が入れ替わる
・ (映倫の指定するグレードと比較すると)描写がグロテスクに過ぎる
…というのが3点セットでそろって、3.0を割る(今日時点で、「大怪獣~」並みの評価は、ある程度の母数がある映画ではこの程度しか見当たらない)結果になったのでは…と思います。
打って変わって今回は実在するいわゆる「心霊スポット」をテーマにあてたもの。
確かに上記全てが解決しているわけではなく、中には趣旨が理解できないものもあれば、時間軸の入れ替えもわかりにくい部分もあるし、「やや」グロテスクな部分(生物的な部分。飲食物を食べながら鑑賞される方はご注意を。ただし、後半の1か所程度しかない)もあることはあります。
ただ、結局この映画の評価は前作との比較が論点になりがちなところ、ここなり他のサイトの評価を参考にしたのか、かなり改善されているように思えます。
まったくわからないわけでもないですし、前作ほどの支離滅裂で何がなんだか…というところでもないです。
一部、科学的(あえて言えば、物理に分類される)についても、当該研究学会等のチェックも入っているようで、かなり妥当な表現がされています。
※ 主な舞台となる、富山・石川県は、日本海に属する都道府県です、海で見られる「物理的な現象」「大気が関係する現象」といえば何でしょう?(ネタバレ回避/ストーリーのの本質論にはかかわってこない)。
特に「ストーリーの理解にあたって妨げになる、趣旨がよくわからないものが置かれている」(前作だと、何かの呪い箱だったかが相当)がないか、ほぼ描写されないので、その点で「わかりにくい」ということは少ないのではないか…と思います。もっともホラー映画なので、「理論的にありえない」描写(突然、スマホが意味不明なことを言い始める等)はありますが、それとて「一応にも理解はできる」し、「前作と比較する」「一般的な日本のホラー映画のカテゴリの一般的な評価」(ホラー映画に関しては、韓国・台湾等が一歩抜けていますね)という観点からは、そこまで減点するのはどうか…と思えます。
評価にあたっては、下記がきになりましたが、大きな傷ではないと思います。
少なくとも、去年(2021年)酷評されまくった「樹海村」ほど支離滅裂とは言えない点は理解可能です。
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(減点0.3) 映画を最後まで見ると、出演者一覧やボランティアのみなさま、権利関係うんぬんが流れた後、「この映画はフィクションです」「描写・表現の一部に不穏当な表現/描写がありますが、当時の雰囲気を再現したものです」という趣旨のものが流れます。後者に関しては他の方のレビューにもある通りの内容かと思います。
ただ、個人的には、「所有権が不明ないわゆる心霊スポットに無断で立ち入っちゃダメ」という点について何ら説明がないのが惜しかったです。
私人間であれば、所有権不明な建物等に立ち入ることはそれほど強く罰せられませんが(せいぜい、軽犯罪法に触れるに過ぎない)、結局のところ、こういう「心霊スポット」は各都道府県に結構あるので、こういう注意書きがないと「所有権不明なんだから立ち入るのも自由だろう」と思われるかもしれませんが「所有権が不明」と「所有権を誰も持っていない」は微妙に違います。
また、今回はもっぱら「私人間の所有権不明」の問題であったところ、「公の公営物」であるなら(一時期、景気が良かったころは国や地方自治体がホテルだの遊園地だのを作りに作って、廃止された施設も結構ある)、そこで何かあれば、国賠(2条、公の公営物の瑕疵による救済)の問題も絡んできます。そしてそのような施設は少なからず存在はします。
そうであるなら、「勝手に他人の土地・建物に入ってはいけません」という注意書き程度はあるべきであり、そこがないのは何なのかな…という印象はあります。刑罰法規ではせいぜい軽犯罪法どまりですが、「家出をする」「何かしらどこかにいったきりでまるでかえって来ない」となると、行政が立ち入る案件(治安に関すること)になるからです。
この点に関しての注意書きが何もないのは、ちょっとそれはそれでどうなのか…という印象です(前作の「樹海村」に関しては、樹海村それ自体は各都道府県にまたがる場所であり、常識的範囲で立ち入ることは行政は禁止できませんが、それと「所有者不明の廃墟に立ち入る」こととは、確実に異なる事案)。
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イイねありがとうございました😊😭詳細な分析、精緻なコメント。勉強になります。素晴らしいですね。ほぼ同感です。前回樹海村で明らかに失敗してる「似たような女優」のキャスティング、一人二役で解消してますね。相手・監督も商売ですから主要なレビューは間違いなく確実にチェックしていると思います。あと蛇足ですが、エレベーターは霊や怨念を持ってしても、どうしようもならない構造規格と定期検査があります。途中の親切なおじさんがホテルだかマンションだかでエレベーターで・・というのは実務を知ってる私からすると「噴飯もののお粗末さ」でした。過去にもあんな災害は聞いたことありません。「下に立ち入って潰された」ならありますけど・・「霊がどんだけ偉いんだよ」と恐怖より「怒り」を感じました。霊もいいけど、その前に工学的に検証な❗️と思いました。長文すみません。ありがとうございました😊😭。