「課題を前にした時の兄妹の悲しみの表情、演技が素晴らしかった」ローラとふたりの兄 八べえさんの映画レビュー(感想・評価)
課題を前にした時の兄妹の悲しみの表情、演技が素晴らしかった
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35歳の妹、その二人の兄(二人は年子の兄弟)の物語。
物語はその兄の3回目の結婚式から始まる。
大雑把な弟の配慮のない言葉。家族のいわゆる問題児なんだろう。
しかし、この3人の兄妹は仲がいい。
両親の墓の前に集まり、近況を話すことを絆としている。
弟は解体工事の責任を背負わされ退職、失業する。
兄は心ない一言のために新婦は出ていく。
妹は幸せな結婚に進むはずが、早期閉経症と診断される。
子供を望む夫を前に別れを決意する。
それぞれが、人生の課題、壁にぶつかりながら、少しずつ和解し、解決への歩みをはじめる。
妹の夫は自分自身が養子だったことを告白。
子供は養子でもいいと話す。
ここがこのドラマのピークだろうか。
失業していた弟にも、起業した以前の仕事仲間から声がかかり、仕事の目処が立つ。そして息子を引き続き留学させることができる。
ドラマのエンディングは空港。黒人の男の子の養子を抱いた妹夫妻の帰国を兄妹が迎える。
2時間のドラマの中で起伏を上手に起こしながら、嫌味のない程度に課題を乗り越えていく。
課題を前にした時の兄妹の悲しみの表情、演技が素晴らしかった。
感情を抑えつつも、抑えきれない感情。
それが伝わってくる演技だった。嫌味がない。
フランス人らしいウイットとジョークがそれを可能にしているようにも感じた。
上手なハートウォーミングなドラマだった。
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