「パークとワールドのコラボによる完結」ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
パークとワールドのコラボによる完結
本シリーズは、全て劇場で鑑賞。スピルバーグがこの世に恐竜を復活させた、ジュラシック・シリーズの第一作目から30年の時を経て、いよいよ完結となる本作。パークとワールドのこれまでの出演者も総登場する中で、人類と恐竜の共存を巡る壮大な物語が、スピルバーグ総指揮の元で終焉を迎えた。
本シリーズの根幹には、大自然の摂理を人間の欲と傲慢によって曲げようとしても、決して叶わないものであることを、恐竜達の襲撃を通して、警鐘を鳴らしているのだろう。また、本作では特に、相容れない立場の生物である人類と恐竜が、共存できるのかということを、この嘆かわしい世界情勢の中に、一石を投じようとしているのかもしれない。
とまぁ、難しく考えなくても、やはり『ジュラシック・シリーズ』は、文句なく面白い。次から次へと襲い掛かる危機、また危機を、どのように乗り越えていくのかを、ハラハラ、ドキドキと手に汗を握り、楽しめる作品であることは間違いない。
第1作目から共通している展開として、最初にブラキオザウルスの様な巨大な草食恐竜を映し出すことで、その壮大な姿で観る者を魅了し、『ジュラシック』の世界に引き込む。続いて、中型肉食恐竜ラプトルの小賢しさに悪戦苦闘。そして、ラストは、大型肉食恐竜のチラノザウルスの襲撃によって恐怖を煽りながらも、その勇士を映し出すストーリーを組み立てている。
本作に限っては、途中「これはジュラシックか…?」と思えるシーンも盛り込まれていた。マルタの街の中での恐竜とのカーチェイスは、まるで『MIP』を彷彿とさせるシーンが続いた。また、今回の悪巧みの組織の基地が、これまでの『ジュラシック』の範疇を超え、『007』のスペクターの様でもあり、何となく、恐竜の本来の魅力とは違う方向に流れたように感じた。しかし、そこは、スピルバーグ。最後はしっかりと、恐竜本来の魅力を描き切っていた。
登場人物もクリス・プラット演じるオーウェン率いるワールド・グループと、サム・ニール演じるグラント率いるパーク・グループが見事にコラボ。パーク・グループの面々は、30年の年月が容姿に現れていたのは否めないが、それだけ長い年月愛され続けたシリーズてある証でもあり、完結作に相応しい豪華出演者にも堪能した。
また、これまでのオマージュとも思えるシーンが何箇所か描かれており、それを見つけるのも面白い。
ラストの地球上の動物の中に恐竜が溶け込んで共存しているシーンは、とても印象的だった。今まさに、人類が向き合ったいる課題に対して、「本来こうあるべきなのだ」という、製作者側からの強いメッセージ性も感じられた。
NOBUさん(^^)実際には肉食恐竜と動物の共存は、あり得ない事なのでしょうが、スピルバーグの平和への思いが、こうした形で描写したのかもしれないですね。何処かの独裁者のようなトップに、見せたいものです。