「詰め込んだ最終話」ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
詰め込んだ最終話
「ジュラシック・パーク」でお馴染みのキャストが再集結。予告でも散々流していたが、それを知らない世代と知っていても「ふーん」程度にしか感動しない人が多い世代がいるのは悲しい。第一作から数年して生まれた私と同い年の友人は「誰あの人?」とぬかした。
本作は完結編という事を大きく意識している様で、恐竜にCGではなくアニマトロニクスを用いている部分が過去二作よりも圧倒的に多い。最後にして原点に立ち返るという趣向は中々センスが良いではないか。それでも第一作でグラント博士が初めてブラキオサウルスを見たときのシーンの感動を超えることが出来ないのはシリーズ物の宿命であろう。他にもオマージュを捧げた様なシーンも多く、往年のファンが思わず微笑んでしまう様なサプライズもしっかりと用意されていた。毒を人の顔に吹きかけるディロフォサウルス等、再登場組の活躍は人以外でも熱い。だが、現在の研究でディロフォサウルスの‘’とさか‘’は毒を吐く為のものでは無いというのが現在通説になっているが、そこら辺の考証は一旦抜きにしてそのまま登場させたのはなんか笑えてしまう。「ジュラシック・パークⅢ」でティラノサウルスをいとも簡単に倒したスピノサウルスも、確かにティラノサウルスよりも巨大だが、四足歩行だった事が明らかになり、現在のワニの様な暮らしだったそうだが、それを気にしないならまた登場して欲しかった。そして、ティラノのリベンジマッチをIMAXで観たかったのが個人的な要望である。
本作の弱点としては登場人物が多くなりすぎた事だろうか。シリーズで最も長尺な147分という本編だが、本来の主人公のオーウェンとクレアが若干薄れていた気がする。だが、完結編としての役割は何とか果たせていただろう。ある程度は予想出来た結末だったが、それが分かっていても途中経過が楽しめる本作はやはり良い作品に違いない。