「【深い喪失感から、徐々に再生していく中年男の三日間の物語。ワンシチュエーションだが、リリー・フランキーさんの独壇場である作品。良い役者さんであることを、再認識した作品でもある。】」その日、カレーライスができるまで NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【深い喪失感から、徐々に再生していく中年男の三日間の物語。ワンシチュエーションだが、リリー・フランキーさんの独壇場である作品。良い役者さんであることを、再認識した作品でもある。】
□併映された「HOME FIGHT」
・10年以上、引きこもりの兄(大水洋介)とコロナ禍のため、バイトを首になった妹(伊藤沙莉)が、リモートで顔出しで遣り取りする、オモシロイショートコントの様な、作品である。
・大水洋介が口にする、”俺、社会を知っているぜ”発言の数々に、伊藤沙莉が顔をコロコロで美容しながら、突っ込むという会話が絶妙で、クスクス笑う。
□「その日、カレーライスができるまで」
・王道の、喪失から再生の物語。
・但し、出演はリリー・フランキーさん独り。
ラジオからは𠮷田照美と女性の掛け合いの番組が、絶妙に部屋に流れる。
・土砂降りの中、買い物袋を提げて、ぼろいアパートに帰ってきた中年男。
カレーを作り始める男。
観ている側は、彼に過去何が起こったのか。
何故、彼は丁寧にカレーを作っているのかが徐々に分かって来る。
<リリー・フランキーさんはイラストレーター、NHKの個性的な歌番組の司会者、そして俳優とマルチな才能を発揮続けているが、今作でその演技の凄さを再確認した。
凄い人である。>
<2021年10月23日 刈谷日劇にて鑑賞>
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