「こどもを失うことの重さ」その日、カレーライスができるまで chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)
こどもを失うことの重さ
リリーさんの一人芝居ではあるが、吐息とか独語とか、隣家からの音とか、集中していないと聞き漏らすのがおしいような、観る者が緊張し続けた「短編」でした 難病のこどもが海外で手術をするために募金を募る、ドナーを探して懸命になる、親としてそれをすることがあたりまえと考えられ、そんなことは当事者の親にとっては何物にも代えがたいことであると理解していても、一方でそういったことができなかった親にとっては、一生背負っていかなくてはならないものがある この主人公の父親も家族を大切にして、こどもを思いやっていたことがよく伝わります 子どもができて、写真やビデオを撮るのは、その時を思い出を残し「成長した後日」に振り返るためだろうけど、一方で止まってしまった時間・瞬間に毎日毎日語りかけている「親」が、たくさんいるのでしょう そう思うとカレーを囲む日々は家族の象徴でもあるのか、と思いました 37セカンズの神野さんの抑えた声、最後のチャイムの音に希望を感じずにはいられません そしてセイヤング時代も懐かしい吉田照美さん、声のみというのもよかったです(9月9日 イオンシネマ りんくう泉南にて鑑賞)
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