「各々のキャラに感情移入しにくい部分はあるが…」すべてが変わった日 J24さんの映画レビュー(感想・評価)
各々のキャラに感情移入しにくい部分はあるが…
ユーロライブにて試写会鑑賞。
K.コスナー演じるジョージとD.レイン演じるマーガレットの夫婦は息子夫婦と共に暮らす所から始まる。息子は事故で亡くし、未亡人となった息子の嫁をしばらくは一緒に生活するものの新しい夫ができた事により息子の嫁そして孫と別れることになる。
ただそんな新しい夫が息子の嫁と孫に対し暴力をするところを目撃し、また所在も伝えず遠くに引っ越した事から危険を感じ夫婦で救出に行くストーリーである。
息子の嫁の新しい夫がまた厄介な家族の持ち主であり母が絶対な存在でありいい歳した息子連中もそれに従順となる。暴力に支配された家庭でもあり息子の嫁も孫もまた暴力に支配されている。田舎に住んでいる事もあってその支配がより際立つ。
ただでさえ血縁関係が複雑なジョージ夫妻が救出するにはもちろん大変な事。
一度は救出に失敗し腕を斧で切り落とされる。
警察に通報するもジョージが最初に銃を向けた事や、孫を誘拐しようとした為に起きた正当防衛だと相手は主張し警察も相手方に付き相手にすらしてもらえず。
最後はジョージが自分の命と引き換えに息子の嫁の新しい夫の家族を全員殺してなんとか息子の嫁と孫を救出成功するところで作品は終わる。
いわゆるサイコスリラーと評していい作品だと思うんだが、不気味だったり気味の悪い緊張感が冒頭から終盤まで漂っておりこちらも緊張感を味わいながら楽しむ事ができる。
特に息子の嫁の新しい夫の家族と関わってから決着をつけるまではドキドキする展開も多くスリラー要素を楽しめる。
ただ作品を通して一人一人のキャラに中々感情移入しづらくどうも没入できない部分も否めず。
孫の為に必死になるマーガレットの気持ちは十分共感できるが気持ちとは裏腹に行動言動が薄くまた息子の嫁の存在も支配に怯えてる様子が薄くイマイチ魅力に欠ける。
新しい夫の家族の描写や警察が取り合ってくれない展開もそうだが全体的にその辺りが駆け足気味なのがジョージ夫妻が感じる恐怖を没入する事まではできなかったか。
あの家族の不気味感は楽しめるのだがもう少し支配による恐怖を感じたかったようにも思えた。
物足りなさは少々感じる部分あったが全体的には十分楽しめた。モーテルのシーンをはじめ中盤の不気味の悪さによる緊張感はエキサイトした。