「本当になりたい自分とは」ビルド・ア・ガール bionさんの映画レビュー(感想・評価)
本当になりたい自分とは
これはいい、すごくグッときた。16歳の少女が、無理してつけたイケてる仮面を脱ぎ捨てて本当になりたかった自分に成長する物語でもあるし、家族の愛情に気づくストーリーでもある。重要なシーンで流れる楽曲が涙腺を刺激してくれる。
1990年代前半のUKロックシーンといえば、まだまだ音楽雑誌が力を持っていた頃。雑誌で酷評されれば、バンドの命運も尽きてしまう。
16歳の女子高生はジョアンナは、自分に自信のない文学少女だが、ひょんなことで音楽雑誌の新人ライターに採用され、あれよあれよという間に毒舌評論家「ドリー・ワイルド」として脚光を浴びる。
ジョアンナは、天性の文才を活かして数々のバンドをこきおろすんだけど、毒舌が芯を食っていてめちゃくちゃ面白い。これは読者にウケるよね。
他にも面白いシーンが盛りだくさん。ジョアンナがベッドでの武勇伝をアニキに聞かせるんだけど、盛ってるんじゃないかと思うくらいすごいエピソードが出てくる。
この作品は面白いだけじゃない、ジョアンナがドリー・ワイルドを脱ぎ捨ててからは、自然と涙がこみあげてくるシーンが続く。ジョン・カイトとの再会のそうだし、再構築される家族の物語もそう。
ジョアンナを演じたビーニー・フェルドスタインの魅力が満ちあふれているし、エマ・トンプソンがびしっと締めてくれます。
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