「気になったのはその法制度」英雄の証明 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
気になったのはその法制度
人助けをすると素人がヒーローになることがある。ちょっと前にボランティアのおじさんが子どもを捜索中の子どもを見つけてヒーローになっていたことを思い出す。あの後しばらくはやりづらかっただろうな。
この映画では金貨の入ったバッグを返した男が描かれる。しかも返したのは借金で投獄されている囚人。一気に美談になるという流れだ。
その持ち上げ方も気持ち悪いが、ある事件をきっかけに評価がガラッと変わってしまう。ここで描かれるのはSNSの怖さや世間の評価の移り変わりではなく、人のことを信じられない側、人を貶めようとする側の行動だ。でも、主人公ラヒムは全く悪くないかというとそうでもない。悪人ではないのだがいろいろと間違えてしまうというアレだ。
なかなか面白かった映画なのだが、気になるのはイランの法制度。借金で投獄されたり、訴えた人が取り下げれば解除されたり、囚人なのに休暇が与えられ外出できたりする。さらにはお金をつめば死刑も免除されるみたいな描写もあった。この法制度、大丈夫なのか?
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