TITANE チタンのレビュー・感想・評価
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鉄腕アトム
最初は物凄いテンポの良さとデスプルーフよろしくのダンスから始まり、ワクワク。途中からマークコールマンそっくりのジャンレノ風マッスルが出てきてこれはヤバいぞと思いながら見てましたよ。『運命は踊る』とか『ラブレス』とか、父子の在り方を問う擬似親子または親娘ものとして、鉄腕アトムに近いものかと思いながらみてました。クローネンバーグよろしく対物性愛のモチーフはまあオマケでいいんじゃないですかねくらいの。
あのおとっつぁん、あの冴えない警備員役で出てたおっさんと同じとは思えないマッスルで最後まで似てると思いつつ同一人物とは思えませんでしたわ。
あとガバの爆音でモッシュはちょっとギャスパーノエみたいでしたね。
ギリシャ神話的な悪い夢
見る人を選ぶ作品
フランス映画らしい猟奇的な変態な世界
なんかすごいものを観れるかもしれない、という期待
モーター、交通事故、手術、退院した少女、頭の傷、車に擦り寄ってキス、タイトル。成長した少女か、頭の傷。もうオープニングから引き込まれてしまう。
描写がなかなか痛々しく、画面から目を離したいが離すことができない。
逃亡するまでの前半は犯罪物みたいでテンポもよく引き込まれたが、キリスト教的なものもギリシャ神話もDNAに刷り込まれていない身にとっては、後半は少し置いていかれたか。見せたいのは後半なのだろうが。
チラチラとレビューをみて、なんかすごいものをみれるかもしれない、と期待して観に行ったので、ハードルを上げすぎてた。
平日の昼間の割に結構観客入ってた。みんな怖いもの見たさなんだな。
内容とは関係ないが、食べ物美味しくなさそうだし、街は汚いし、男はバカばっかりだし、今の若い人たちはフランスへの憧れなんてないだろうな。
天井桟敷の人々やパリのアメリカ人やアメリや、、、
高貴でお洒落でロマンチックで、みんなが憧れていたフランスが懐かしいな。
ここで終わるのか
面白いけど、だから何なのかっていう話なの。
監督の前作が《RAW〜少女のめざめ〜》と知って「それ系の映画かあ」と思うだけど、それ系ってなに系だろ。
主人公は頭にチタンを埋め込まれたおかげで、金属と愛し合うことができるようになったんだよね。
それで金属と人間のハーフを産むんだけど、それがどうしたのか。
転がり込んだお父さんはゲイだよね。それで近親相姦願望があるのかな。職場の若い人がパートナーの立場を奪われたから怒るっていう。
良く分からなかったけど、観てて飽きなかったらいいかな。
パルムドール?これ、理解しないといけません?
ふとよそ見をしたら現実を見失った
思ってたのと違った…
これぞ変態フランス映画
フランス映画は基本的に説明なし、つじつま合わせる気なし、オチがあるようなないような、ギャグはだいたいスベるのを見せたい感じ、どこかに愛の物語、というイメージですが、そこにグロが加わったような映画です。女性の裸がたくさん出てくるので、フランス映画好きで無ければデートにはオススメできません。ホラー映画ってわけでもない。強いていえばファンタジーですかね。
前半は痛々しい表現が多いですが、後半は疑似親子が愛を紡ぐ世にも不思議な物語です。途中からこのまま幸せになってくれないかなーって願いながら見ていました。
子を失い、妻を失ったマッチョな世界で生きてきた男の成れの果てみたいなものを見せられますが、終わってみるとなかなかどうしていい親父です。
好きかと言われると個人的にはあんまりですが、そもそもフランス映画をあまり観ていないので、フランス映画好きならめちゃくちゃおもしろい文脈があるのかもしれない。
マカレナ♪
多様性の極致
刺激的な映像に隠れているが、暗喩的にダイバーシティの問題を描いていると感じた。表現はぶっ飛んでいながら、サスペンス、ホラー、ヒューマンドラマなど見応えのある映画的要素が十分にあってとてもよい。最後の最後まで、どんな子供が?と釘付けだった。
頭のチタンプレートはニューロダイバーシティ(あるいはダイバーシティを排除し矯正しようとするもの)の象徴だろう。さらにLGBTPZN を超える対物性愛(私は対物性愛はNの広義だと思っているのだが)の表現も多様性の極致でとても先進的だ。
ぶっ飛んだ要素を除いていくと、今のリアルな世界にあるマイノリティの抑圧と、それに対する悲しみと闘いが見える。そういったセンシティブなものを表現しながら映画としてセンセーショナルで面白い。それが素晴らしい。
吐き気を催すほどの不条理と狂気を超えた愛と
前提として
・予告は観てない
・ジュリア・デュクルノー監督の作品は未視聴
1シーン1シーンが絵になり、アレクシアはあまり言葉に出しませんが、感情がしっかりと伝わってきます。自分を大事にせず、他人を愛そうとすると殺人衝動に駆られてしまう。感情が伝わるのに、理解ができない気持ち悪さ。観ていて精神的に蝕まれていくような感覚があり、吐き気を覚えるほどでした。
自分を傷つけるシーンも色々あるのですが、非常に痛々しい。痛いのに最後までやり遂げようとする。それは強い意志などではなく、常人なら持っている何かが欠けているからだと感じました。
社会常識を持っているように見えて、所々頭のネジが外れている行動。アレクシアだけかと思いきや、ここにヴィンセントが現れます。彼も別の方向で狂っている。この二人の間に愛が生まれていくのか、愛なんてものが分からなくなるほどの狂気に満ちていくのか。
アレクシアの父親は、娘に対しての愛情がない描写がされるのですが、なぜか常人に見えてしまいました。
なんというか、「価値観をぶっ壊された映画」といった感じです。
全く詳しくないのですが、実はLGBTQ+や神話などがモチーフにあるのではないかと考えてます。
性別や常識を超えたものは神話になるのかもしれません。
サイコパスな展開
常識外の愛の形
今年最大級の衝撃作でした。
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