「吐き気を催すほどの不条理と狂気を超えた愛と」TITANE チタン MAGUNETTOさんの映画レビュー(感想・評価)
吐き気を催すほどの不条理と狂気を超えた愛と
前提として
・予告は観てない
・ジュリア・デュクルノー監督の作品は未視聴
1シーン1シーンが絵になり、アレクシアはあまり言葉に出しませんが、感情がしっかりと伝わってきます。自分を大事にせず、他人を愛そうとすると殺人衝動に駆られてしまう。感情が伝わるのに、理解ができない気持ち悪さ。観ていて精神的に蝕まれていくような感覚があり、吐き気を覚えるほどでした。
自分を傷つけるシーンも色々あるのですが、非常に痛々しい。痛いのに最後までやり遂げようとする。それは強い意志などではなく、常人なら持っている何かが欠けているからだと感じました。
社会常識を持っているように見えて、所々頭のネジが外れている行動。アレクシアだけかと思いきや、ここにヴィンセントが現れます。彼も別の方向で狂っている。この二人の間に愛が生まれていくのか、愛なんてものが分からなくなるほどの狂気に満ちていくのか。
アレクシアの父親は、娘に対しての愛情がない描写がされるのですが、なぜか常人に見えてしまいました。
なんというか、「価値観をぶっ壊された映画」といった感じです。
全く詳しくないのですが、実はLGBTQ+や神話などがモチーフにあるのではないかと考えてます。
性別や常識を超えたものは神話になるのかもしれません。
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