「女性しか味わえない産みの苦しみと喜びを全人類隔てなく我が身として実感出来る怪作」TITANE チタン 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)
女性しか味わえない産みの苦しみと喜びを全人類隔てなく我が身として実感出来る怪作
今年観た他の映画の印象が一撃で吹っ飛ぶほどの、かなりの衝撃作でした。ジュリア・デクルノー監督作品は初めて拝見しましたが、まさかこれほどまでとは。
金属への執着愛はあくまで序章。本題はその後に出てくる『父親』との謎の関係性。
この『父親』がなかなかの曲者ですが、親父であり良き理解者であり性癖謎のマッチョイズムの体現者であるクセに最終的に母親属性を得るんですよね。
もう意味わからんですよね。
意味わからんけど、実際そうだったから仕方ないです。
なおラストシーンに向けてなんとなく親父と我々観客の視点がシンクロしてく感あったんですが、この辺、マジで出産場面にリアルで立ち会ってる気分になります。
そして最後の産んだのお前じゃないだろシーン。
泣けます。
そんなわけで、この映画を観た後放心状態に陥ったために、ハシゴする予定だった別の映画が観に行けなくなりました。
でも後悔してません。
ホラー映画の皮を被った、人類愛に満ちた傑作でした。
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