「これは好みによって評価が分かれる映画だ。」TITANE チタン いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
これは好みによって評価が分かれる映画だ。
私は残虐行為や暴力場面が苦手で、生理的に拒否反応を起こす。そのシーンでは薄目にして鑑賞した。何とか耐えることができた。
この映画監督は、従来の既成概念や常識を壊してやろうとの意志が感じられる。善悪、性差、老若、肉親愛など意識的に私達の肌を逆立てるような演出をしている。そんな映画や小説もあっていいと思う。小説だと想像することが難しいところでも、映画だと見ればわかる。車とのセックス描写は笑える。
妄想・空想小説を映画にした作品と思えば、楽しむことができるのはないか。個人差があるので、万人向けとは思えないけれど。
物語自体は驚くほどのものではない。結末も見たか読んだような終わり方だった。何故、主人公が殺人鬼となるのか。チタンを頭に入れたからでは納得できないだろう。主人公を行方不明となった息子と思い込む老消防士を殺せないのはなぜか。本当の愛情を消防士から感じたのか。私に理解不能な映画だ。
この映画を「変態映画」だと評するレビューが散見する。分かりやすいけれど誤解を招かないか。変態の許容範囲も、昔に比べれば緩くなっている。最近の映画では、同性愛は当たり前に取り上げられている。車への異常なまでの執着は、私に獣姦嗜好者を連想させた。さすがにこれは私をドン引きさせる。
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