「それでもみんな生きている」レッド・ロケット 堂々庵さんの映画レビュー(感想・評価)
それでもみんな生きている
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映像の中にさまざまな象徴(ドーナツ、ホイルから突き出た円錐がある車、多分アメリカンピットブルテリア、入れ墨、コンビナートの煙突)が隠れていて、それらに囲まれてみんなが生きていた。
生きているというよりは、生かされている。
「連れとのパーティーに行きたかった」と小太りの入れ墨兄貴が愚痴を叩いたり、「Bye Bye Bye」をストロベリーが裸で歌ったり、愛すべき姿で映画の中で生きていた。
「私たちもなんもかわらんよ」と、感じたとたんに
ちょっと優しくなった自分を意識した。
同じような場面や状況は、身の回りにいくらでもあるのだ。
今まで、目を逸らしていたり、見てなかっただけだつた。
象徴は、映画を見る者が、現実から「目を逸らすな!」と胸元に突き付ける役目をしている。
そして、映画が終わったとき、私たちはぎこちなくても生きていかざるをえない世界と出会い直す。
さて、これからどんな人に声をかけよう?
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