MEMORIA メモリアのレビュー・感想・評価
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批評に騙されるな
2時間16分の拷問である。退屈な映画は拷問である。
例によって、作品についての予備知識、情報が極力ないまま鑑賞。
監督がタイ人で、南米でロケされた、カンヌで何かの賞を取った―という程度。
封切り初日とあってか、館内は8割以上埋まっていた。
中身については、特段触れない。
ドラマとしてのヤマはないです。退屈な拷問です。
ああいう作品に何かを感じる人もいるでしょうが、私にはそれはなかった。
金曜の新聞各紙には映画評が載るけれど、東京で発行される新聞の評を、映画を見たあとにチェックしたら、2本の評に「静謐な~」という言葉が使われていた。
静か、穏やか、という意味だが、そんな普段使わない形容詞を使って持ち上げても仕方ない映画ですよ。
退屈なのに、それを深みがあるように思わせているだけ…。
配給元が出しているキャッチコピー
『深遠かつ静謐にして、圧倒的な【音】がもたらす唯一無二の映像体験』
このままに映画評を書いている記者、評論家は3流以下だわ。
市川姉妹かと思った
もしも、日本でこの作品をパクるなら市川姉妹でキャスティングしてほしい。なんて考えてたらティルダ・スウィントンなんですね。テーマを前面に出さないノマドランドとも思った。音が重要になっていて、それも「ボフッ」という音なのだけれど、もっと派手にしてもいいじゃないですかと思ったけれど、これが味らしい。よく批評家が褒めているのをみかける監督だけれど、それも頷ける。ちょっと優等生すぎるようにも思う。前半は眠いなぁと思ったが食事シーンぐらいから心地よくなっていった。ライトハウスも音をテーマにしているので思い出していた。劇中のバンドがすごいカッコいいので音源をさがしたい。また、音響技師が意外とエレクトロパンクバンドをしているのも気になった。せっかくなら聞いてみたいと思ったが監督はお気に召さないのかな。急に出てきたおっさんが宇宙で生まれた、すべての体験を憶えていると魚をチンタラ捌きながら言っていたけれど、彼は神のような存在なのかな。
このレビュー、間違ったわけでないのですが…
録画スイッチをオンにしたまま、しばらく置きっぱなしにしてしまった。
そんな感じの映像が断続的に続きます。時折の大きな音も気にならずに睡眠を誘うヒーリング効果が抜群です。
というわけで、この映画については、ほとんど何も語ることができません。
そこで、鑑賞前の出来事を記録。
昨日の『余命10年』は夜の11時半終映で、余韻を噛み締める時間がありませんでした。そこで今日の外出では、小松菜奈さんと坂口健太郎さんがハグした通路のある日暮里駅で降り、V字の二股の右手にあたる谷中銀座を散歩してから有楽町方面へ向かうことにしました。それでもまだ時間があったので丸ビル地下のスターバックスに立ち寄り、大きな楡材の一枚板のテーブル席の一角に腰掛けました。
すると斜向かいに位置する女性二人の会話が何気に聞こえてきて、つい耳がダンボになったのです。
歳の頃はたぶん小松菜奈さんと同世代。向かって右側のショートボブの元気そうな女の子が、どちらかと言うと落ち着いた雰囲気の隣のセミロングの女性にプレゼントを手渡しています。小さめの紙袋🛍からまず取り出したのは単行本。書店カバーが付いていてタイトルは不明ですが、「今はコロナだけどさ、これなら国内だから回れると思う」と説明していたので、美術館とか、もしかしたら歴女仲間で城巡りの本?
続けて文庫本と箱入りの美容関連商品らしきもの(プレゼントされた本人が日常的に使ってるものよりワンランク高い化粧水とかでしょうか?男の私には見当も付きません)を渡しているようでした。不自然にチラ見してたら気味悪がられるので、耳情報だけからの判断ですが、セミロングは大袈裟でなく自然体で素直に喜んでる様子。ショートボブも押し付けがましさは少しもありません。プレゼントの理由が誕生日なのか、卒業や就職のお祝いなのかわかりませんが、たまたま目にした普通の女の子たちの普通の友好関係。
そこには、『余命10年』の小松菜奈さんが経験したかった普通の友人関係が普通にありました。
もっと生きたい❗️
余韻を味わうどころか、またまた涙がこぼれ落ちそうになってしまったのでした。
時間の流れ、輪廻転生、人類のよって来たる源についての考察など
ティルダ・スウィントンは、そのロンパリ気味の大きな目と、常に半開きの口元のせいで、外見はかなりミステリアスである。カメラ目線でまっすぐこちらを見ているようでも、どこか遠くを見ている感じだし、開いた口から言葉が出そうで出ない。何を考えているのかまるで見当がつかないのだ。ラブストーリーよりも魔女や幽霊や超能力者が似合う女優さんである。
さて、本作品はなかなかレビューの難しい映画である。少なくとも、短気な人には向いていないことだけは分かる。森、山、空などのひとつひとつのシーンが長い。街なかのシーンでさえ、登場人物なしの長回しなのだ。隣の年配の客は最初からエンドロールまでずっと寝ていた。
ジャンル分けも難しい。強いて言えば超心理学SFだろうか。コロンビアを舞台の超常現象というのも違和感があるし、主人公が住んでいるのがメデジンだ。メデジンといえば、メデジンカルテルしか思い浮かばない。物凄く危険なところだというイメージだ。絶対に行きたくないと思っていた。しかし映像を見る限りではそんなに物騒な感じではない。当然といえば当然だ、戦場ではないのだから。ただ体格がよくて強面の男たちがたくさん映っていて、やっぱりメデジンには行きたくないと思った。
象徴的な場面がいくつかある。若いエルナンが言った「Depth of Illusion」、考古学者が6000年前と推測した若い女の頭蓋骨に開けられた穴、まるでつけて来るみたいな大きな野良犬、中年のエルナンとのノンバーバルな交流、それに音の正体である超常的な光景などだ。
理解し難い部分が沢山ある作品だが、時間の流れ、輪廻転生、人類のよって来たる源についての考察などが製作者のモチーフとして感じられる。スウィントンが演じたジェシカは旅人である。空間を移動する以外に、時間も移動しているような印象である。本人が意識していないところで違う時間に入り込む。ジェシカが移動する過程が時間と空間のつながりそのものとなる。
そういう意味では、ヒロインは中性的で思索的でストイックである必要がある。ジェシカの役はティルダ・スウィントン以外に考えにくい。それは本作品がいい作品だったということなのかもしれない。
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