パリ13区のレビュー・感想・評価
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モノクロのパリの青春
ノエミメルランの話は好き。
アジア系の女の子の話はよくわからなかった。
ラストが性急な気がする(けど具体的にどこがかは忘れた)
見てよかったとは思ってる。
モノクロで浮かび上がる実像
通常スクリーンで鑑賞(字幕)。
ミレニアル世代と云うことは、私(1994年生まれ)と同世代。そんな男女が織り成す群像劇、気になっていました。
敢えてモノクロにしたことで映像が研ぎ澄まされ、登場人物たちの抱える孤独がストレートに伝わって来るようでした。
生々しいセックス描写は芸術的で、とても神々しい…。快楽の後に訪れる虚しさまでも赤裸々に映し出されていました。
快楽によって満たされたはずなのに、何故か心は空っぽのまま…。空洞を埋めるものを探してパリを彷徨う若者たち…
ひと括りに出来ない若者たちの特異な関係性を描きつつ、やはり愛に帰着してしまうのは、人間は常に愛に飢え、求め続けている生き物だからなのかも…。ミレニアル世代とは言え、心の揺れ動きは普遍的なのかもしれないなと思いました。
とても良い映画
タイトルにもなっている『パリ13区』の13区というのが、どういった区域なのかは、よく知らないけど、この作品を見る限り、特別裕福でも無さそうで、かと言って貧乏過ぎるわけでもなく、何とかかんとか生活は出来ており、また色んな人種が住んでいる区域…といった所なんでしょうか?(階級的には、中流の中?下?)
まあ、そんな背景を感じながら、この作品を観ました。
鑑賞前、粗筋なんかを読むと、セックス場面が多いとの先入観があったけども、それほどコテコテの濃厚な"撮り方"はしていないので、思ったほどには、その辺は気にならなかった。でも、逆に気になったのは、フランス人って、(昔からよく言われるように)性に対して大らかというか、見境がないというか、まぁ、悪く言えば、ちょっと"お下品"だなと…もっと悪く言えば、ほとんど"犬猫"同然な感じがしました…なんとも直情的なんです(笑)
そう、あまり繊細な感じがしない…。
でも、この作品は、一見動物的なニュアンスが強いんですが(特に中国人女性)、登場人物たちは徐々に、時間を掛けながらも、対話をすることによって、先入観を捨てていき、互いの理解を深めて行きます。
ノラが最後、出会い系のチャットで知り合った女性と公園で御対面するんですが、実際に会ってみたことで、ノラが眩暈を起こしその場に倒れ込んでしまいます…心の揺さぶり(愛の衝動?笑)を感じることの出来る、良いシーンでした。
*台湾系?中国人、黒人、出会い系の女、義理の叔父に性的に搾取されていた女性、吃音者…"偏見"というのがこの作品のテーマだった…?
*鑑賞前は、どんなフランス映画なんだろうか?抽象的で分かりにくいんだろうか?と、かなり構えていたんですが、ストーリーは結構単純でした。日本人とは、性(生活)における文化・習慣が異なるので、やや面食らうし理解しがたいところはありますが、総じて物語自体は難解では無かったです。ややテーマの分かりにくさはあったかな…。
よかった
モノクロで見づらいかなと思ったら、意外とそうでもない。中国人の女の子が大変自分本位な性格でかわいいのに残念なタイプ。みんな若々しく奔放なセックスライフを送っていて、元気でうらやましい。
窓の数だけそれぞれの生活があって、それぞれの価値観や考え方があって...
窓の数だけそれぞれの生活があって、それぞれの価値観や考え方があって、それぞれの性行為がある。
建物はそこにあって、外からその存在を認識することはできるけれど、窓はいつもカーテンで閉ざされていて、中を覗くことはできないし、ガラスに遮られて容易に侵入することもできない。だから、窓のその先の部屋、というものはとても、パーソナルな場所だ。距離的にはすぐそこにあるのに、心理的には遠い場所、とも言えるのかもしれない。
この映画は、部屋とセックスの関係が密接であるようにおもう。人が部屋に入ってくると、ほとんどの場合セックスをする。身体は繋がっているのに、心が繋がらない。近くにいるのに遠い。
空間を隔てているノラとアンバーはスカイプを通して繋がっているのだけれど、このふたりの関係は、同じ部屋にいなくとも(身体的な距離は遠いけど)、心の距離はとても近く、親密。ふたりがはじめてキスするのも、部屋の中ではなくて、外。心の繋がらないセックスとはまったく質の違うものとして描かれている。
最初は身体の関係しかなかったエミリーとカミーユもオンラインで繋がって、徐々に心が近づいていく。最後の「愛しているよ」も同じ部屋のなかではなく、インターホン越し。そのままインターホンの受話器がクローズアップされて映画は綴じられる。象徴的なラストシーン。距離があっても繋がることはできる。でも、それには繋がろうとする行為が必要なことが暗示される。インターホンは鳴らす者がいてはじめて機能を成すのだから。問いかける者と、それに応える者。ふたつが合わさってはじめてコミュニケーションになり、関係性ができていく。
・建物、とりわけ集合住宅の映し方がとてもかっこいい、何度も映る。
・モノクロームの映像がぴったりの映画だった。性生活が充実して踊り出すエミリーのシーンはスポットライトが当たっているような、光が印象的なシーン。ノラが思い悩む場面は闇のような黒が強調されていたように思う。モノクロームで映す人間の感情、
パリの曇り空の下、男と女は歩いて行く
久方ぶりのR18と知って、結構大きなモヤモヤを隠さないでシアターへ赴きました。
◉性の営みに堰はない
「つながるのは簡単なのに愛し合うのはむずかしい」のキャッチ通り、エミリーとカミーユはルームシェア相手と言うだけで、つながる。いくら何でも早すぎだろう。しかし営みの回数で喧嘩別れしたり、新しい職場ではカミーユがノラに下心を見透かされたり。
なるほど性的快楽も、大事に大事にして生きてゆくような人生観を味わう作品なんだなと納得しました。
しかし、出会い系で男を漁るエミリーが画面で躍動し始めてから、快楽が大事どころか、これは快楽のみの人生じゃないか。満ち足りたエミリーがワルツを踊るように、レストランに戻ってきて、これも悪いことではないなと思いつつも、呆れました。
◉風に吹かれて
ノラはカミーユに心を開きながらも、うまく営むことが出来ずにアンバー・スゥイートとの愛の方へ大きく傾いてしまう。アンバーが実は男と言うことがあっても、もの凄く素敵だったと思います。
ノラを失った心の空虚を埋めるために、エミリーとよりを戻そうとするカミーユ。出会い系のエミリーのド派手な乱行を知っても、彼女に近づいていく。ビルの屋上の風に吹かれながら、屈託なく話す二人を見ていると、そう言う生き方なんだと思えばよいのかと、もう一度納得。
祖母の葬儀に参列するために2階であたふた準備をしているエミリーに、電話が掛かって来る。下でカミーユが待っていてくれたのだ。その時のエミリーのほんの少し涙ぐむような微笑が、堪らなく可愛らしく見えてしまった。
であるならば、ここまでの筋書きが奔放どころか無法過ぎやしないかと、私は思ったのでした。
ジュテーム!
とっても良かったです。
仕事の事でモヤモヤしていたのが、吹っ切れました😊
映画って良いですね
現代の若者が描かれているという前情報のみで、鑑賞
どんどん映画に引き込まれて
この3人どうなっていくのー??
いや4人か?
燃ゆる女の肖像の監督が脚本
その主人公も出てる
映画の途中からそのこと気づく笑
パンフレットをみて
パリ13区というのは
どんな地域かを知る
なるほどー
アジア系の方々が住んでいる高層マンションが多いところなんだ!
以外ネタバレ
元ポルノ女優の方がちゃんとしている人と描かれていたのが凄く良かった。
これは動物虐待にあたらない?とか
証拠はしっかり押さえていて、とてもしっかりしていて、おそらくこの仕事にポリシーを持っている強い女性だ
まさかこの二人が仲良くなっていくというストーリーも良かった
最後のエミリーとカミーユのインターホン越しのジュテームが最高に胸掴まれた
二人が面と向かって会うシーンじゃなく
インターホンで我慢出来ずカミーユが言ってしまう
本当に最高です♪
元気になれました😊
トラウマを刺激で誤魔化す空虚さ
主要登場人物の全てが傷を抱えており、それをセックスや新たな環境といった刺激で埋めようとしている。
カミーユは恋愛、エミリーはセックス、ノラは復学(環境の変化)…
でもそれらは対処療法であって、彼らが望むものを与えてはくれない。
各個人間の生きづらさに関してはフワッと語られる程度なので、これかなー?と予測できる程度。
なので、誰もが抱える生きづらさ(一般的な人々)を表現しているのでしょう。
そこから彼らは他者との関係構築を始めるのですが、
自分を守ろうとするあまり攻撃的になったり、卑屈になったりで、全然うまくいかない。
自己開示をして、相手を受け止め、そうして築き合う関係性だけが心を満たしうる、的なメッセージかなと解釈しました。
テンポも良く群像劇を飽きずに楽しめます。
たしかにセックスシーンは多いけど、白黒だからか湿度が低くてカラッとしてました。
白黒だと肌の色も分からず、ポリコレを意識したキャスティングではあると思うんですが、より人と人の話であることが強調される気がしますね。
忘れていた青春の輝き
ストーリーは、3人の若者の目的地が見えない虚しい迷走を描いていく。苦しんだ挙句、ラストでキラキラとした宝石を見出す。
ノラは、女性のパートナーを見つけ、カミーユは、ようやくエミリーに告白する。エミリーがインターフォンに出ると、カミーユが、「Je t'aime」と一言。インターフォンを切ったエミリーの弾けんばかりの笑顔に、それまでのすべての苦悩が報われたような気がした。若さは素晴らしい。フランス万歳!
男は置いてきぼり
この男性監督の作品は初。
脚本には燃える女の肖像のセリーヌ・シアマとさらに若い女流脚本家のレア・ミシウスを加えてきている。
セリーヌ・シアマの世界が理解し難いせいか、難しかった。
ノエミ・メルランで、R18なんで、期待したけど・・・・R15ぐらいな感じ。
台湾の子エミリーはなかなか魅力的で、主役扱いだったけど、カットによっては、石野よう子にすごく似て見えて、バカ殿を思い出していました。
高校教師から不動産屋になるアフリカ系の男(マキタ)の描かれ方が薄めで、このドラマでの役割がよくわからなかった。
大学に32歳で復学するノラは元不動産会社勤めだった。
内装の仕事で出くわした高校の教え子は大学ではノラといっしょだったような。とすれば、とてもバツが悪いシーン。
パリ13区の世間はとても狭い。
元ポルノスターの延長課金頻発からのダイレクトメールを教えてもらって、長時間チャットする流れは、互いに興味があって共感して行くということだけど、最後までプラトニック?セリーヌ・シアマのそこんところの機微が鈍いオイラにはわかりにくい。実はセックス産業で働く女性の方がピュアなんですよと言いたいのか?単なる出会いなのか?
ノエミ・メルラン扮する元OLのノラは業界でいろいろあって辞めて復学したわけですよね。男性とのノーマルなセックスに違和感がある様子だったけど、実は同性愛であることを元ポルノスターとのやり取りを通して自覚するに至ったという話?
私の不動産会社(とくに大手)に対する印象(先入観)もありますが、OLさんはかなり発展家が多く、アブノーマルなセックスに慣れ過ぎたノラはちゃんとしようと復学したけど、大学でも噂になっていられなくなって、元の業界に戻った話にも思えてしまうほど、ノエミ・メルランがエッチなもので、全然わかりませんでした。
コールセンターとかルームシェアとか単に金銭的に大変苦労しているミレニアル世代の話だけじゃないんだろうけど。
誰かさん、教えてください❗
音と映像の合わせ方がうますぎる!
良かったところ:
1.音と映像の合わせ方がうまかった。 きっと編集が上手いからだ!音楽のチョイスも映像と合ってる!
2.微妙なロングテイクが映画の味を出している!個性が出てるかな?
3.オープニングのクレジットがかっこよかった。
フランス語の勉強で観たがまだビギナーレベルなのでわからないところがたくさんあったが発音の仕方がクリアに聞こえたので発音の勉強にもなった。
俳優さんも可愛かったりかっこよかったりしたので演技も上手くできていたのがいいなて思った。
エロチックだと聞いていただがそんなにエロチックではなかったのが少し期待はずれ?
ロマンチックなシーンが今時の映画なのに白黒の映画でよく描かれていて面白かった。
(白黒映画だと照明のコントラストととか出すの難しいのになぁって思ったけど、シンプルで綺麗な絵だった)
わたしもこの映画みたいに撮りたいなと思った。
ただ心残りがあるのは、主人公のおばあちゃんが亡くなる時のベッドのシーン、なぜ微妙なアングルで早くクローズアップしたのかが気になる。ホラーチックに見せたかったのかなぁ?
以上
本当に満たされるセックスは…
パリ13区に住む
台湾系フランス人女性のもとに
ルームシェアに来た
アフリカ系フランス人男性との
セックスから始まる人間関係。
セックスに対する価値観や
精神的に得られる満足の個人差。
その先に見え始める新しい自分。
基本的にはハッピーエンドなので
このエンディングの先が本当に満たされる
必ずしもセックスに限定されない
性生活の始まりだと感じました。
【巴里13区に住む30歳前後の複数の男女の孤独、不安により性、愛を求めながら毀誉褒貶する姿を描いた群像劇。無機質な複数の愛が、有機的な姿に変容していく様が、丁寧に描かれた作品である。】
ー 今作のメイン舞台、巴里13区は劇中にも映し出されているように、再開発による高層マンションが並び、アジア系、アフリカ系移民が多く暮らす、現代の巴里を象徴する地区である。
今作は、そこに住むもしくは地方から上京して来た30歳前後の男女を描いた群像劇である。そして、ノエミ・メルランの美しき肢体故にR-18作品です・・。-
◆感想
・コールセンターで働く台湾系フランス人女性エミリー(ルーシー・チャン)。彼女の部屋は元々は祖母の部屋だったが、広いのでルーム・シェアで家賃を賄っている。
そんな彼女の元にルームシェアを希望するアフリカ系フランス人の男性高校教師カミーユ(マキタ・サンバ)がやって来る。
ー え、知らない男とルームシェアするの!で、あっと言う間に情交する二人。まるで挨拶代わりのように・・。ウーム、フランス人だなあ・・。ジュ・テーム・・。けれど、二人は恋人になる訳でなくって・・。ー
・エミリーが顧客勧誘の際に、不適切な言葉を使ったという理由で、アッサリ馘首されるシーン。
ー 確かにあの言葉は不適切だが、30日前通告とか労働者を守る法律はないのかな・・。-
・地方から10数年ぶりに復学したノラ(ノエミ・メルラン:鑑賞中、”どこかで観た女優さんだなあ・・と悶々としていたが、カミーユとの激しい情交シーンを見て、”「燃ゆる女の肖像」の油絵の画家を演じた人だ!”と気付く。我ながら、思い出すタイミングがウーム・・なのだがお許し願いたい・・。)が、大学のパーティに金髪のウイッグを被って出かけたら、アダルトサイトで稼ぐアンバー・スウィート(ジョニー・ベス)に間違われて・・。
ー ”あんまり、似てないよね・・、皆酔っているから?”と思っていたら、学友たちの嫌がらせだった・・。
けれども、久しぶりに町中で会った同級生の女性にノラが見舞ったグーパンチは見事。やられっぱなしじゃ駄目だよね!ー
・ノラはそんな大学の同級生に見切りをつけて、高校教師を一時期止めて高資格(多分、アグレガシオンだと思う。)を取得するために不動産業をしているカミーユの求人募集に来る。
ー で、再び”あっと言う間”に二人は身体を重ねる・・。それにしても、皆、職をドンドン変えるんだね。-
・素敵だなあ、と思ったのは、ノラがアンバー・スウィートのサイトにアクセスして、彼女のヌードを見る訳ではなくイロイロと話しをするうちに(ドンドン課金されるので)、アンバー・スウィートが”スカイプで話しましょ。”と提案し、二人が素の姿で、幼き頃からの写真を見せ合ったり、寝顔を見るシーンである。
ー 二人が初めて”実像”に会った公園で、ノラが”素の黒髪の”アンバー・スウィートと出会った途端気を失って、アンバー・スウィートが抱きかかえるシーン。あのキスシーンは美しかった・・。-
・エミリーに久しぶりに電話して来たカミーユ。エミリーは相変わらず憎まれ口を叩くが・・。
エミリーは一度だけお婆さんを見舞うが痴呆になっていたお婆さんは彼女が分からない。髪を切ってあげるエミリー。だが、その後は新しくルームシェアの募集に来た女性に言う。
”家賃を安くするから、近くの養護施設にいる私のお婆さんに、時々会いに行って・・。”
ー お婆さんは気になるが、自分を分かって貰えない辛さからかなあ・・。-
・そして、エミリーのお婆さんが亡くなって、カミーユが彼女に掛けた言葉”僕も参列しようか・・”
一度は断るエミリーだが・・。
ー 葬儀に二人で出かける際、カミーユがエミリーにコールで、2回言った愛の言葉。
嬉しそうなエミリーの顔・・。-
<今作は、巴里13区に住む30歳前後の男女の、孤独、不安により性、愛を求め毀誉褒貶する姿を描いた群像劇である。
無機質な複数の愛が、有機的な姿に変容していく様が、丁寧に描かれた作品でもある。>
音楽すごく好き。
パリ13区がどのようなところか、全く予備知識なく。モノクロの工場夜景のような風景は、パリのイメージとは少しちがう。
登場人物はみんな魅力的。エミリーは、姉から、パーソナリティ障害じゃない?って思われてるくらい、自己中だし、面倒くさい性格だけど、なんか、愛おしい。エミリーが職場で軽やかにステップ踏むように踊るところは、とっても良かった!
ポルノ女優とノラのやりとりも、なんか、安らいだ。
最後のジュテーム、ほんまに?って、ちょっと上手くいきすぎな気がしたので、評価は⭐️3つに留めました。
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