「尊敬もするけど大っ嫌い。」わたしは最悪。 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
尊敬もするけど大っ嫌い。
30歳になって、年上の恋人との関係もまずまず、仕事については書店で働きながらまだ模索中のユリヤが、新たな若い男と出会い舞い上がる話。
タイトルが「わたしは最悪。」のように、間違いなく私はユリヤのこと最悪だと思うし嫌い。でも、自由奔放に踊ってる姿は可愛いと思うし、自分の主張をハッキリと伝えられる頭の良さは尊敬する。でも、死にかけの元恋人に自分の迷いを解消したい(と私は感じた)がために会いに行く感じ本当に嫌い。でも、パートナーの意見に流されない姿勢はかっこいい。こんな無限ループに陥った。
#Metoo以降、やたら女性の目線に寄り添ってくれる作品が多い中、今作は主人公に適度に距離を置いた「まぁ女だってこんなもんでしょ?」という姿勢が正しいなと思った。女性映画は過剰に共感して燃え上がっちゃいがちなので。
最近言われてるジェンダーとか多様性とかなんだかんだって100やろうとするから疲れる。アイヴァンの元カノが環境問題とかサスティナブルに100傾倒していくのは疲れるけど、ユリヤのように譲るところは譲って(アクセルの漫画の時代錯誤なジョークとか私は許せんな)突き通すところは突き通すのがちょうどいい。
時間が止まったり、風景を見て泣くユリヤ、ヘッドフォンをしてドラムを叩く真似をするアクセルなどなど色んな印象的なシーンはあるけど、私はアクセルがフェミニストと口論になってる様子を見てるユリヤのシーンが印象的だった。今まで自分も感じた違和感を代わりに行ってくれて清々してるようにも見えるし、話せば話すほど失言をするアクセルへの同情か、久しぶりに彼を見れたことへの嬉しさにも見える。
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