「ペトログリフ」コンパートメント No.6 yanpakenさんの映画レビュー(感想・評価)
ペトログリフ
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レスビアンのはずの主人公が、男性に恋してしまうが、男性は見た目ほど荒々しくなく、性に対して消極的。男性は子供っぽくも見えるが、しっかりしている。性を求めて、さすらう女性の生きざまが痛々しくて、心を打たれる。
主人公がフィンランド人で、男性がロシア人の労働者、主人公の恋人だった大学教授はロシア人のインテリ。労働者とインテリの対比が戯画的だがそこが面白いし、ロシア人のイメージも戯画的で、そこも面白い。その面白さに気を取られてみていると、この程度の面白さでカンヌで賞がとれるのか?と興ざめしてしまう。列車の中だけの狭い空間の話で、映画の質に疑念を抱く。
ところが、主人公が男性に積極的になるのに、男性がその欲求に答えないあたりから、痛切さが胸を打つ。男性は主人公の望みを満足させるために力を振り絞り、ペトログリフを見せる。でも、ペトログリフの問題ではない。最果ての氷の海に男女2人。
主人公は男性と別れて一人になって微笑む姿が痛々しい。でも、ロシア人の男がプーチンに似てるのは偶然ではなく意図的に見えるので、0.5点減点。
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