ベネデッタのレビュー・感想・評価
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何がいちばん攻められたのか…
神を信じると言うことはこういう事なんだ、と。見えることが全て真実ではないという事をくっきり描いていてわかりやすい。レズビアン主義を攻められたというよりは修道院長になる過程のエゴやエロとかがメイン。キリストとベネデッタの関わりをくっきり映像で表現しているのがヴァンボーベンっぽくてあきない。興味深く面白くみれた。
やったぜ全員悪者
ベテラン監督が匠の技で人間の業みたいなヤツをじっくりコトコトことこと煮込んで灰汁抜きとか全くせずに出してきて、どうしてこれがこんなに面白い映画になっちゃうんだっていう感じで、非常に良かったです。 エロも当然なんだけど、皆醜かったなー。 これとっても褒め言葉です。 当然コロナウイルスの怖さが身に沁みてる現代の我々からすると当時の民衆の恐怖は他人事ではない、そしてそれを自分のために利用する統治者の思惑の怖さもあり、うーん見事って感じ。 1番近いのは北野映画のアウトレイジシリーズかなって思って観てました。
美しい2人の裸体
17世紀、イタリア・ペシアで聖母マリアと対話し奇蹟を起こすとされる少女ベネデッタは、6歳で出家して修道院に入った。女性だけの世界で純粋無垢なまま成人した彼女は、父親に虐待され修道院に逃げ込んできた若い女性バルトロメアを助け、彼女から求められるがままレズ関係となった。そんな時、ベネデッタは聖痕を受けてイエスが磔になった時と同様に手足から血を流していたため、イエスの花嫁になったとみなされ、新たな修道院長に就任した。民衆から聖女と崇められ権力を手にするが、前修道院長が当時はタブーとされたベネデッタとバルトロメアのレズをカトリック教会の上層部へ告げ口し、ベネデッタは火炙りの刑となり・・・という史実に基づく話。
女性だけの修道院で男性を知らずに成人したら、経験豊富な外から来た女性からすればイチコロだろうな、って思った。
当時はもちろんLGBTの人権なんて風潮は無かったし、愛するのは男女でなくてはいけなかったのだろうが、レズで処刑って酷い話だなぁ、って思ったし、宗教って何なんだ・・・なんて思いながら観てた。
R+18だけあって、2人のレズシーンはなかなかエロかった。
美しい2人のヘアヌードも見所。
民衆蜂起とシャーロットランプリング
ベネデッタの火刑,パンデミック、広場に集まる人々は、拷問に耐えかねベネデッタを裏切り裏切りによりボロを着せられ修道院を追い出されたバルトロメアを嘲笑う。その人々は教皇大使に反発してベネデッタを救えと叫ぶ。
火刑までのクライマックスには、ベネデッタの存在や奇跡を信じるも疑うも、権力者協会関係者には利害関係,保身、損得勘定のみによる判断。
民衆は実存的にベネデッタを信じる。
ベネデッタはおそらく生まれてから修道院に助けらレルまで収奪歯科されてこなかったバルトロメアに数字を教えようとする。大事なシーン。シャーロットランプリング演じる元の修道院長はおそらく努力と忍耐の人だが高い教育を受けていないのか、ベネデッタに経理の作業を依頼している。この構造。
火刑やバンデミック、ベストを持ち込んだ者たち、権力と暴圧,抑圧者に対して声を上げ蜂起する。
広場の民衆蜂起と、最後、サラリーマン的に修道女として身を立て母としてはおそらく子を制度の中でのみ守ろうとし、生きてきた,生きていくつもりだった元修道院長を演じるシャーロットランプリングがペストに罹患した美しい痘痕姿でベネデッタが炙られるはずだった焔の中へたしかな足取りで迷いなく進んでいく、これが映画のクライマックス。
これは美しいベネデッタの物語ではない、奇跡か否かもどうでも良くて、民衆蜂起と社会組織人として生きて最期の時に真実を求めて立ち上がり民衆を煽るシャーロットランプリングの物語である。
ベネデッタは、愛と妄想に生きる。刹那を求めるが結果を求めない。バルトロメアは生まれてこの方搾取され続け愛と生きる糧のみを求める。
シャーロットランプリングが身体を投げ打ち全霊で演じたシスターフェリシアは生き抜く力,知恵そして最後は真実を求めた。
広場でペストの死神として登場したシャーロットランプリング、静かに力強く焔の中に歩むシャーロットランプリングに映画館で嗚咽し,大声で泣き叫びそうだった。映画史上最高の場面の一つ。
ヒーローはイケメンでなければ許さない女
劇場型のシスターが成り行きで昇進し街をも巻き込んでいく話。 LGBT要素あり。 良い点 ・話術 ・異を唱える者、利用する者など様々な立場の交錯 悪い点 とくになし その他点 ・ばち当たり
表テーマと裏テーマ
17世紀のイタリアであった修道院での奇跡と同性愛裁判を元に、ロボコップや氷の微笑のポール・バーホーベンが監督。
表のテーマとしては、男性が絶対優位なキリスト教会の世界で、神を信じない前修道院長と、神の啓示を受けた若い修道院長が対立しつつも最後は協力して街をペストから守った「事実を元にした」LGBTな🏳️🌈作品。
まあ、それでも良いのでしょうが、、、、少し捻くれた見方をすると、、、、
修道院でLGBT的なネタって、エクスプロイテーション映画というジャンルに一派で、70年代にめっちゃ流行った。日本で言えば日活ロマン系ですね。
ポール・バーホーベンはオランダ出身ですから違いますが、彼の年代のマーティン・スコセッシやフランシス・フォード・コッポラでもこうしたB級映画で監督経験を積んできたモノです。
エロやグロがあれば、何でもokだったので才能ある若手がこのジャンルを足がかりに自分の表現を行ったのですね。
だから、当時と同じく今の時代なら「LGBT」「真実の話」「分断と家族」といったB級テーマでポリコレがあれば、セックスだろうが暴力だろうが(本作ではイエスが大暴れでした)拷問だろうが(苦悩の梨は初めて見たわ)、何でも出せるぜい!って、バーホーベン監督ぐらいなら、思ってそうですがね〜。
逞しい主人公 宗教世界とは
主人公の幼い頃、祈っていたキリスト像が突然倒れてきて、それでも何故か怪我しないなどの不思議な現象が淡々とあって、まわりの修道女もこの人何か違う(本物なのかな)という目で見ている。ジャンヌダルクの修道女版というところか。最後は劇的。逞しい。
中世教会のリアリティ
日本人には理解が難しい中世の教会の現実。 教会の影響力がわかる映画で、大変中世のキリスト教の支配の実態がよくわかる。 映像もリアリティがあり、現実に対する理解が進む。 バーホーベン監督だから表現できる映像でした。
バーホーベンから見ると
神も悪魔も同じような存在なんだろうなあ。 「トータル・リコール」も、「氷の微笑」もそうだったように、 何が“真実”かで踊らされているよりも、 そこで起きている“現実”を信じているのだろう。
彼女ははたして本当のことをいっているのか...?
ピーター・ウェラー主演のサイボーグ警官のロボコップやアーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション映画トータル・リコール(2012年にコリン・ファレル主演でリメイク)、シャロン・ストーン主演の妖艶な女性が主人公のミステリー映画氷の微笑の監督ポール・ヴァーホーベンが17世紀に実在したベネデッタ・カルリーニという同性愛の罪で裁判にかけられた修道⼥がビジョン、狂言、創造性で男性が支配する時代に権力をつかんでゆくという物語。
最初ベネデッタが幼少期の頃に修道院に向かう途中、母親のネックレスを盗賊に奪われるシーンがあるのですが盗賊に「聖母の罰がくだるわ」と発するところがあって本当に天罰が降りかかるという奇蹟かのような出来事が起きます。
その後、修道院に入って大人になったベネデッタは逃げ込んできた見知らぬ若い女性バルトロメアを助け、彼女と仲良くなり恋愛関係に発展していきます。
その頃から幼少期からずっとみえていたキリストのビジョンと嘘か本当かわからない狂言を使ってさも本当のことであるかのように民衆を信じ込ませ、修道院長の座に駆け上がっていきます。
最後にベネデッタのその後の詳細が書かれて、彼女は70歳まで生きて生涯を修道院内の施設で過ごしたことがわかります。
幼少期は純粋だったのかもしれないが大人になるにつれて色んな欲が出てきて、すべてを欲したベネデッタは息を吐くように"虚言"を繰り返し大衆の心を操り最終的には修道院長にまでのし上がったのをみて、私はただ単に嘘をつき続けるのは通常の感覚だったら罪悪感で途中で断念してしまうと思っていて、自分優先に物事を考える自分勝手なベネデッタは一貫して嘘をつくことに微塵の躊躇もなくできてしまう通常じゃ考えられない感覚の持ち主で現代で人が集まってくるカリスマ性があった人物に感じました。
時代の流れ
これ、四半世紀前に見たら、相当衝撃的だったと思うけど、時代も流れて世間も私も寛容になってきた昨今、LGBT問題に一石を投じている作品だと考えてしまう、今日この頃。 ポール・ヴァーホーベン監督?と思ったが、「氷の微笑」か。昔友人とドキドキしながら見に行ったのを思い出したぜ!
詐欺師の話?
観たあとになにかモヤモヤする映画。何が悪いのかもピンとこない。 同性愛者に目覚めた女詐欺師が小さいフィールドでなんとか生きようとする話なのか? ポール・バーホーベンは80過ぎても精力的に撮影するな凄いなーの星。
宗教の価値観は…
基本宗教に興味が無いので、理解ができない 今はやりの旧統一教会もそうだが、信者になるためには金💰が必要だし金がないやつは信者にもなれない設定から始まるが、僕みたいな貧乏💸人は神からも見放されるんだな〰️ 日本でいう尼寺での出来事(リアルストーリーをオマージュらしい)を、コロナではなくペストを題材にしながら進んでいく LGBT問題や、その時代の宗教感がわからないから、現代の問題を上手くペストの時代に溶け込ませている
ペスト怖い。
昔々の修道院記述を元にした、神に選ばれし娘とレズビアン案件。 子供の頃から割と飛びやすい子だった模様で、現在だと病名めいたものが割り当てられるんだろうが本作ではそこの所はどっち着かずにわざと描いている。 病気なのか芝居なのか神の啓示が本当にあったのか見る側もエピソードごとに振り回されつつフィナーレに突入するのが楽しい。ペスト流行のタイミングも人々を追い込み、話を盛り上げてくれます。 ビアン案件は肉欲なんで聖女とは相反する訳ですが、なんか人間的で、話をかき混ぜ、結果的に主人公の足を引っ張りつつ主人公を際立たせてますね。 間違いなくポール爺さん一流の娯楽作品です。 関係ないけど私子供の頃からペスト流行期、終末観のある話大好き。ビジュアル的にも恐ろしくてよい。
狂信者か、それとも目的のためには手段を選ばないタイプの策士か
久々に観るだけでカロリーを消費した感あります。途中からずっと脱いでんなこの人達と思ってましたが、ラストも脱いでましたね。無駄に。ここまで来るともういっそのことギャグですね。脱げば笑い取れると思ってる芸人と同じ目線なのかなと(暴言)。 ストーリー自体は面白かったです。主人公のベネデッタは実在の人物とのことで、この辺、桐生操先生あたりがなんか書いてそうです。知らんけど。 イエスに愛されし修道女かつ同じ修道女の後輩と実質的な同性愛関係になるって、それってある意味浮気と違うんかとツッコミ入れまくってましたが。 最後までベネデッタが狂信者なのか、目的のために手段を選ばない系策士なのかが、よくわかりませんでした。良い人なのか、悪い人なのかということも。 きっと両面があってこそ一人の人間、ということなんでしょうね。 あと、シャーロット・ランプリングが良い味出してました。
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