劇場公開日 2023年2月17日

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「3.8)✝闘え!聖女✝」ベネデッタ tsukaregumaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.53.8)✝闘え!聖女✝

2023年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作『ELLE』に続き、今作も妄想の映画だ。
ただし監督自身の妄想aka性的嗜好の投影ではなく、主人公ベネデッタの妄想を創作したことで客観性が生まれ、一段上の映画になった印象。

「妄想」と書いてしまったが、ベネデッタとキリストの逢瀬が、夢か幻視か自己暗示か人格障害か?解らないように出来ているところが面白い。内面が見えない「信頼できない」主人公であるにも関わらず、不思議とベネデッタを心から応援してしまう。権力を批判するだけの人間よりも、その権力の渦中で闘うカッコ良さがここにある(たとえベネデッタ本人には、そんな意識がないのだとしても)。

それにしてもキリスト登場場面の、気が抜けた炭酸のようなオーラの無さには笑った。モンティパイソン的トンマ感と、ハーレイクイン的王子様が同居する「俗物」以外の何物でもないあの感じ。そんなキリストに恋してしまうベネデッタの俗物的可愛さよ。彼女の(そして本作の)魅力だ。

妄想と即物表現の人、ヴァーホーベンが健在

tsukareguma
トミーさんのコメント
2023年5月11日

モンティパイソン! その通りでしたね。木像のジーザスに何か生えてくるんじゃ? とどきどきしました。

トミー