「女性が虐げられていた社会で権力を握るために、神からの刻印「聖痕」を...」ベネデッタ ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
女性が虐げられていた社会で権力を握るために、神からの刻印「聖痕」を...
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女性が虐げられていた社会で権力を握るために、神からの刻印「聖痕」を矛にしてのし上がり、民や周囲をコントロールしようとするベネデッタ。これは神からの使命か、はたまたペテン師か。倫理や信仰、男性優位社会に強烈な楔を打ちつける。あまりにも鮮烈な一撃。
・女にも性欲があることを剥き出しに惜しげもなく描き切る。よくぞキリスト像をあのような使い方にしてくれたというか…さすがというか、唖然というか…
・バルトロメアを男らの暴力から匿い、自分が神の申し子を名乗ることで男たちに虐げられてきた村社会にメスを入れるとか、そんなところでは確かにフェミニズムなのかもだけど。
ただ「痛みに耐えてこそ強い女」像は前作「ELLE エル」でも同じように描かれてはいたが、特にあの拷問シーンはどう捉えていいのか。ストレートなフェミニズム映画ではないし、前作同様、これはフェミニズム?なのか??と思ってしまう過激な性描写もしばしば。(ああも裸体晒しすぎて女優のダメージ気になる)フェミニズムどうのこうのよりも、倫理やモラルに揺さぶりかけたいどころか、なぶり倒して混ぜっ返したいってだけのような気もする。
今回はそこに信仰や神という視点を据え置いた。すごい変だし、ものすごい捻れている。見てる方の、ジャンル決めつけの脳みそを、ぐちゃぐちゃに混ぜっ返したい。野心と狂気しか見えない。
・ペテンなのかマジもんの超人なのかはどうでもよくて、「神」を引き剥がして丸裸にされたのは人間の欲とか業とかでした。ぐらいのことなんだろうとは思う。
・バルトロメアの恥辱の行進は、ゲースロのサーセイを思い出した。
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