ジェノサイド004のレビュー・感想・評価
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どうせB級~Z級と高を括っていたのに。結構楽しめました。
アマプラの作品紹介を読んで「これはターミネーターのNGのやつや…あかんやつや…」と思いながらも、吹き替え版ということで、サクッとながら観するにはもってこいと思い視聴スタートしました。なーんにも期待せずに。ところがぎっちょん、これが結構面白かったです。
製作者サイド自身が、端からB級と割り切って作っている確信犯だと思います。
でもまぁすごいですよね。そんな作品にこれほどまでのCG描写できる技術を駆使できる時代になったのですから驚きです。
この映画やたらと痛覚に訴えかけてくるグロ描写が多いです。
ターミネーターのNGが、心臓や脳髄をナイフで抉り出したり、骸の顔の皮をはぎ取ったり。
掌や眼球が銃弾で射抜かれるとか。弁慶の泣き所を骨折して骨が肉を突き破って露出するとか。膝の皿にガラス片がざっくりと突き刺さるとか。地雷を踏んで片足の大腿部から先が吹き飛ぶとか、もうやりたい放題です((((;゚Д゚))))ヒィー
グロ耐性がそこそこある私でも、思わずPCのモニタから目を背けるシーンが多かったです。
ところがね、こいつやっぱりターミネーターのNGなんですわ。
現在の技術を持ってしても赤外線センサーやCO2センサーやマイクロ波・ミリ波、熱画像カメラ…etcで生体感知が十分可能らしいんですわ。
数千億円単位で開発されているジェット戦闘機以上の超ハイテクロボのはずなのにですわw
200万円未満の軽四にも搭載されている技術なんですわw
なのにカメラからの視覚とマイクからの音声のみでターゲットを認識するとか、ゾンビかよ。
転倒して岩の隙間に挟まってジタバタと身動きとれなくなるとか、かなりお茶目な一面もありましたし。
まぁね、最重要モジュールが旧態依然の5インチHDDってところで全て推して知るべしのターミネーターのNGなんですが。
性根の腐っている私が評価したのは、本当の“ワル”は何の断罪もされないまま終わる後味の悪さなんですよね。
終わってみれば犬死に累々で何の救いもない映画。こういうの結構好き。
悪は蔓延る。
科学倫理
冒頭からジャングルで逃げる女性をロボットが殺害、字幕で「現在、200社以上の企業がAI搭載ロボットを開発している。多くは軍事目的で作られたものである」と表示。映画もそのとおりCIAとロボット企業の面々が試作ロボットのテストにベトナムとカンボジア国境の麻薬密売組織が潜む村を襲撃する話、武装集団だけならともかく、車の故障でたまたま村を訪れた医師団や罪もない村人、子供たち迄、殺しにかかる、まさに皆殺しの非道映画だから観ていて辛い・・。
004というのは送り込まれた4体のロボットのことでしょう、その内BR4号は着陸時にモジュールが外れて業者の遠隔操作不能、自我に目覚め、終盤で命とは何か、命の大切さについてメイソン大尉と村の子供と対話します。
SF作家アイザック・アシモフが提唱したロボット3原則のひとつ「「人間に危害を加えてはならない」をロボット開発企業は肝に銘じて欲しいと言う科学倫理への警鐘も裏テーマということでしょうかね。
監督・脚本のマーク・トイアさんはオーストラリアでコマーシャルの監督として成功、当時56歳だったトイアは、ベトナムでネスカフェのコマーシャルを撮影しているときにこの映画のアイデアが浮かびコマーシャルの監督でも長編映画を監督できるという証明をしたかったようです。製作は奥さんのカロリン・トイアさん、不動産投資で稼いだ自己資金 160万豪ドル(約1億5,601万円)やクラウドファンディングで集めた資金で製作、インディーズ映画にしてはCGは割と良く出来ていましたね。
せっかくうまく動いていたが…
この手の作品好きなら楽しめます。
前から気になってて、(YouTubeで動画観て。)漸く鑑賞しました。
良いですよ。(笑)
B級映画ですが、拘り感じる作り。(この間観た「ボーダーランズ」より余っ程面白い(笑))シンプルながら破綻していないストーリー展開。(突っ込みどころはありますが。)特に役者が、しっかり演技しているので、AIロボに予算全振りで制作されながらも役者のお陰でチープ感が無いですね。
ラストも、ありがちな匂わせ方で終わります。(笑)
贅沢言うならもっと派手に殺しまくるアクションがあればねと。(笑)
ラスト生き残ったエンジニア、爆発から生き残れたシーンだけで、特に何も無く話終わります。だったら殺しちゃっても良かったのでは?続編無さそうだし(笑)。
多様性と命の重さ
CIAは民間企業と提携し軍事AIロボットを開発。実地テストの舞台に麻薬密売組織の拠点が選ばれた。当初の計画では組織のメンバーだけを殲滅するはずだったが、その村では女子供も普通に生活しており偶然居合わせてしまったボランティア医師団も。極秘任務故目撃者は存在してはならず、見境の無い殺戮が開始されるのだった...
地方の村で殺戮を繰り広げる軍事AIロボットは、都市部にいる開発者であるエンジニアの指示に従って行動しており、そのエンジニアたちはというと直属の上司を余所にCIAエージェント(?)の脅迫を受け彼らの意思を余所に半ば強制的に従わされている。
そのCIAエージェントはというと遠く離れたアメリカ(ペンタゴン?)にいる少佐と呼ばれる男に指示を仰いでおり、その少佐と呼ばれる男はまたアメリカのどこか別の場所にいるエンジニアたちの直属の上司と繋がりがある様。
軍事AIロボットの性能テストで殲滅しても良いと判断された麻薬密売人たちではあるが、彼らが拠点としている村では彼らの家族である女性や子供が平穏な日常生活を送っている。
その村にはなんでか元ネイビーシールズ隊員が滞在しており、彼は地雷原のある村の周辺の地理に詳しいリープという少年と信頼関係を築いており、彼の母親であるキアラとも踏み出せずにいるが恋仲にある様だ。
しかしリープには麻薬組織のリーダーである父親がおり、元ネイビーシールズ隊員とは反りが合わないものの、リープは何かと父を慕っている様子が伺える。キアラの夫ということにもなるのだが家族3人で映る写真は見当たらない。
実地テストの事前準備に極秘にその地へ潜入したCIAエージェントは自動小銃を携えたヤクの売人たちからだけでなく、無防備なボランティア医師団からも身を隠し、森に迷い込んでしまったボランティア医師団は木で作ったおもちゃの銃を携帯し遊んでいた子どもたちと遭遇し恐れおののいている。
辿り着いた村は諸々の事情もあってか排他的な様で、多国籍なボランティア医師団に子どもたちは興味津々の反面大人たちには歓迎されない。しかしなぜか元ネイビーシールズ隊員のアメリカ人はその村への居住を許されている。
プログラムに則り人間を公平に一律に見境なく殺戮していくマシーンがもたらす惨劇とその対応及び余波から、AIの自我の芽生えと自己学習を交えつつ、人間が意思決定へと至るプロセスを、その判断材料となる複雑に入り組み派生し蔓延る人間の在り様を関係性を営みを紐解き、命の重さを説こうとする試みは非情ながらも非常に丁寧。
同じ造形の4体のマシーンは鑑賞者からしてみたら1体と3体の見分けにくさに直結してしまうものの、人間側に適用されまた人間が起点となる“違い”との対比を狙ってのものだろうし、動き方や仕草も相まって劇中の人間にもたらされる無慈悲さの演出としては全く申し分ない。
もう少しコンパクトにまとめてくれると親しみやすさや取っ付き易さも増すのだろうが、どこをとってもこだわりを感じるしとても見応えのある面白い作品だった。
「悪魔のいけにえ」シリーズ...「ターミネーター」シリーズ...「エネミー・オブ・アメリカ」(1998)...「アイ,ロボット」(2004)...「バトルシップ」(2012)...「ドローン・オブ・ウォー」(2014)...「キル・コマンド」(2015)...「チャッピー」(2015)...「ジェネシス」(2018)...「タイタンフォール 巨神降臨」(2020)...
予想に反して、なかなか良い出来の作品でした。
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