「大局的には何も解決してない」梅切らぬバカ アルさんの映画レビュー(感想・評価)
大局的には何も解決してない
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隣人の理解を得られ、忠さんが少し成長したのは分かるが、それでは視聴者のもやもやした感情を払拭するには至らない。
結局忠さんがグループホームを追いやられる形となったが、その原因となった騒動のきっかけが忠さん自身とは言い難いし、地域住民には勘違いされたままで物語が終わってしまい、え?終わりなの?って言うのがまず出てきた感想。
せめて、グループホームでなんとか生活できる基盤が整って、溝の埋まらない諸問題を抱えつつも騒動に対する地域住民の勘違いを払拭するところまではやってほしかった。
この結末ではグループホームに預けるに至った"母親離れ"がただ失敗しただけでしかない。
梅切らぬ馬鹿を、外の世界に無理矢理にでも押し出して、独り立ちさせる決断に至れない親子をなぞらえてるのだとするとまぁ…という感じではあるが、煮え切らないエンディングだというのが正直な感想。
一方で、塚地や加賀まりこの演技には惹きつけられた。
また登場人物の個々のキャラクターも個性がありつつも嫌いになれないいい味を出していたと思う。
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