「現実をつきつけられた」梅切らぬバカ ミキスマイルさんの映画レビュー(感想・評価)
現実をつきつけられた
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自閉症の子供さん達もいつか大きくなり本作のチュウさんみたいに40代、50代と歳を重ねていく。
献身的な母親が一緒に居てくれ、マイルールを理解してくれるという環境がチュウさんには居心地がよいが一生それが出来るわけではない。
本人の意思では変えようのない自閉症の方の特性を理解しながら寄り添っていて、カラッと明るくサバサバ意見を言える母親役を加賀まりこさんが好演。塚地さんも自閉症をもつチュウさんを熱演されていたと思う。
本当の親子みたいな温かい空気感が漂っていた。
施設のスタッフの雰囲気とかもリアリティーを感じた。
地域住民の反対運動はやり過ぎでは?と思える場面もあるが、理解出来ないものを排除するというよりは、
実際に子供を叩かれたとか馬を逃がされた、とか致し方ない理由があり抗議する気持ちも分かってしまう。
お隣さんとは少年とチュウさんとの繋がりきっかけで仲良くなりホッとした。馬を逃してしまった事に巻き込んだのは自分だ、と正直に告白できた少年も素直だし、
謝罪にいきチュウさんと親しく接して仲良くなろうとする家族が温かい。
梅を結局切らなかった理由を自分なりに考えてみた。
邪魔だからと切り捨てるのではなく距離をとりながら気を遣って共存する事で梅は実をつけ、手を加えたら梅エキスのように人を癒す薬にもなるのだ。
邪魔だから排除という世の中に一石を投じたのではないだろうか。
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