「最上級のバッドエンド」梅切らぬバカ NORIさんの映画レビュー(感想・評価)
最上級のバッドエンド
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序盤は「障害者の高齢化」という社会問題を風刺した作品かと期待したが、ただ市民の障害者に対するスティグマを誇張したものにすぎなかった。これではむしろ映画の観客に対して、差別的な感情を煽ってしまう恐れもある。
タイトルも「子離れ出来ない親」の隠喩であれば面白いのだが、どうもそうではなく「個性を尊重しよう」みたいな単純なものであったようだ。
結局社会参加に失敗し、高齢の親元へ帰ってゆく主人公。障害者との触れ合いを通じて、精神的な成長を遂げる隣人の事など何の救いにもならない。主人公が歩む、この先の人生を想像すると、感動を誘うような演出とは裏腹に暗い気持ちにしかなれなかった。
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